[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
    中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』
                          
                      − 第44号 2006.10.11 −   
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  ☆皆様、お元気でしたか!!
      ご購読いつもありがとうございます。                         
      これからも皆様方に、愛され、支持される、
      メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。

     よろしくお願いいたします。
           
    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

               [等幅フォントでお読みください]

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    それでは、今日もご一緒に!

      ★ やさしい自動車工学【エンジン編】
  
    前回の「燃焼温度」は、如何でしたか?

    その中で「ノッキング」について、簡単にふれておりますが、
    今回からもう少し、詳しく説明をしていきたいと思います。
     
    それでは、今日のテーマ。

    ◆【ノッキング】knocking

    1〕[ノッキング現象]

    この現象を

    皆さんが最も端的に感じとる瞬間は、クルマをドライブ中に急加速!
    を行った場合や、変速比(減速比)を合わせないまゝで急勾配の坂を
    のぼるような時に。

    エンジンから、キンキンまたはコンコンという、金属性の物を叩く
    ような音を、聞いたことがお有りだと思います。

    ◆これが、「ノッキング」と言われる現象ですね。

    エンジン内部で叩く(ノックする)ような音の出ることから、
    このように呼ばれています。

    そして、

    このノッキングについては、いまだ完全に解明されていないのも
    事実です。

    現在、一般的には、

    混合気の「未燃焼ガス」の「圧縮着火」によるものとされている
    ことは、前の号でお伝えした通りです。

    ※もう一度、「燃焼過程」を簡単におさらいしてみましょう。

    ・エンジンの燃焼室内で、圧縮された混合気に
    ・点火プラグで点火すると
    ・着火遅れ感応期を経て着火し
    ・火焔伝播を行いながら燃焼が進行する。‥でしたね。

    ◆このとき既に、焔の前面 flame front において燃焼の大部分は
    完了しています。
    
    注。)ラスワイラ M.Rassweiler の高速度写真による実験では、

       ・混合ガスの25%(重量比)が燃焼すると、
       ・火焔は燃焼室の50%(容積比)を占める。

    さらに、

       ・混合ガスで、重量の60%が燃焼すると、
       ・火焔は、燃焼室容積の90%を占めることが判っています。
    
    これは、

    焔面 flame front が進んでいくと、未燃焼部分のガス end gas
    は「高圧縮」されるということです。

    このとき「エンド・ガス」は、

    圧縮によって「熱を発生」し、さらに焔面からも熱をうけて高温に
    なります。
    
    注。)エンド・ガス end gas

       ・エンジンの燃焼室で燃焼が進んで行き、

       最後に燃焼しようとしている「未燃焼ガス」の部分を、
       エンド・ガス(末端ガス)と言います。

    ◆「ノッキング」は

    高温、高圧になった「エンド・ガス」が「圧縮着火」して、
    ほとんど「瞬間的に燃焼」し、「急激な圧力の上昇」を起こす現象
    のことを言います。
   
    ◆「正常燃焼」のときの

    焔の「伝播速度」は、毎秒数十メートルでしたね。

    ところが、

    「ノッキング」の発生時には、その数倍の1000m/sにも達すること
    があると言われています。

    これは、もう燃焼ではなくて爆発!ですね。

    ◆またこの時の、

    発生音は、ガス中に生じた「圧力波」によって起こされていること
    が、クリンステッドの実験から確認されています。

    そしてこの実験時の、

    高周波の「圧力波」は、「毎秒3,330サイクル」であったと言われ
    ておりますが、

    このことは当然

    「燃焼室の大きさ」や「混合ガスの温度」それに「燃料の種類」に
    よっても変化します。
   
    ノッキングについて、まだまだ続きますよ。

              次回もぜひおたのしみに!
    
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    ☆ やさしい航空工学【航空力学編】
  
    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。

    前回のスラットは、如何でしたか?
    それも高揚力装置の一種でしたね。

    強大な推進エネルギーを

    持った航空機だけに、その離・着陸時に於けるコントロールには
    様々な技術の導入が図られているのですが、

    さあ!そこで今回取り上げる

    「高揚力装置」の最後のテーマは、今までの説明をしてきた装置を
    上回るほどの効果を発揮する優れた機構です。

    今日のテーマです。
    
    ◇【翼型理論の基礎】[高揚力装置・続々編]

    ◇「境界層制御装置」boundary-layer control system

    前述の「フラップ」や「スラット」に比べて、高い「揚力」を発生
    するのがこの装置です。
    
    航空機の翼に発生する
    境界層についての、詳しい説明は前の号を参考にしてください。

    ここでは、
    流体力学に特化して、ごく簡単に復習をしてみましょう。

    ◇流体(この場合は、気流です)が、

    物体(翼の、特に上面)の表面に沿って流れる場合、その流れの
    速さは、表面(翼面)に近いほど遅くなっていき、

    ◇そして

    翼面に直接触れている部分の、気流の速さは「ゼロ」になります。

    ※即ち、

    流れの速度が次第に遅くなっている、翼上面の薄い層の範囲の
    ことを「境界層」と呼んでいるのです。

    ◇このことは、

    流体(空気)には「粘性」があり、その粘性によって「気流」が
    翼に「粘着」して引きずられているからなのですね。


    『これは何も航空機に限ったことではなく、
    高速で移動するクルマ、とくにF-1マシーンに代表されるレーシン
    グカーなどのボディデザインは、この厄介な「空気の粘り」との
    戦いでもあるのです。』


    本題に戻って

    「境界層制御装置」の説明に入っていきましょう。


    前述の「高揚力装置」等と同じように、
    翼の迎え角が大きくなる、離・着陸時の「失速を防ぐ」ために考え
    られた装置で、次の二つの種類があります。

    その一つは、

    「吸い込み翼」と呼ばれる装置で、あらかじめ剥離が発生しやすい
    個所の

    ◇翼の上面に設けられた小さな孔から、剥離を起こそうとしている、
    境界層を吸い込んで翼面への強い密着を得る方法。

    二つ目は、

    「吹き出し翼」と呼ばれる、これも翼の上面に開けられた小孔を
    利用して、
    
    ◇逆に小孔から別の「高圧空気」を吹き出して、剥離をしかかって
    いる境界層につよい空気の流れを加え、

    翼に大きな「負圧を発生」させ、失速を防いでいるのです
    以上、数回にわたって述べてきた「高揚力装置」についての説明は
    一応ここで、終りにいたします。
                
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    ちょっと一息!

    《喫茶室》

    ‐王者の引き際‐

    ◇10/8(日)鈴鹿が燃えた!

    この日スタンドに詰めかけた

    多くのギャラリーは、おそらくこの瞬間まで、シューマッハの勝利
    を確信していたのではないでしょうか?

    事実、
    目の前を駆け抜けていく、快走フェラーリ!

    ・・戦う!跳ね馬。カヴァッリーノ・ランパンテの雄姿をみるかぎり、
    一点の疑う余地もなかった。

    いやしかし、その先
    魔のコーナー。デグナーで突然!息絶える。。。

    ・・・無念のエンジントラブル。あと僅か16周を残して・・・・。

    鈴鹿に見放された? ・・・ 紅の皇帝.ミハエル・シューマッハ。

    その一方、大方の予想をくつがして、
    若き青の戦士.フェルナンド・アロンソの逆転勝利!

    さらに、F1サーカス最終のブラジル戦へ逆王手!を賭ける。

    ワールドチャンピオン争いが、益々熾烈を極めてきた。

    モーターファンにとって
    これほどエキサイティング!なシリーズも珍しい。
    
    それにしても、
    リタイアのあと、ピットに帰ってきたシューマッハの態度に敬服。

    ピットクルーはもとより、関係スタッフ一人一人の労をねぎらう
    表情は、清々しいほど爽やかではないか。

    やはりワールドチャンピオン7回のタイトルは、伊達ではなかった。

    「これがレース、F1だよ。」

    呟いたシューマッハの一言が、全てを言い表わしている。

    。
    。
    。

    ‐レース思考‐

    言わばレースと名の付く

    スポーツイベントの中でも、とくに「自動車レース」においては、
    それを操るドライバーの技量だけで、勝敗が決定されるほど安易
    ではない。

    マシーン開発に関わる

    コンストラクター、マニュファクチャラー、及び関連企業における
    技術力や、それを実現可能にする豊富な資金力。

    言い換えれば、

    エンジン、パワートレイン、シャーシー(プラットフォーム)
    車体構造・デザイン、電気・電子回り、タイヤ、燃料、オイル、
    塗装、ワックス、等々。

    また細かくは、ボルト、ネジ、ビス、の一本一本の果てまでに、
    あらん限り、最新技術の結集がなされているのです。

    それらを、
    単体、または複合的に最高レベル!で完成させ、
    さらに結合、融和させて初めてマシーンに命が吹き込まれる。

    そのようにして   
    誕生したクルマの諸元を、設計通り発揮させるために、
    繰り返し試走を重ね、

    それによって得たデータを基にして、熟成させていくのです。
    
    結果、最高のコンディションをもって、
    ようやく、スターティング・グリッドにデビューできる。
    
    もちろん、
    レース当日のコース・コンディション、それに最も悩みの種が
    天候(気圧、気温、湿度)であることは言うまでもない。

    理由はもうお解りですね?

    当マガジン、過去の号「エンジン性能特性」を思い出してください。
    併せて、「航空工学・空気力学」の項目も。

    なおまた、ドライバーの仕事とは、

    ただ一つ。この至極のマシーンのポテンシャルを、最高に発揮させ、
    他の、どのドライバーよりも少ないミスで、

    安全に維持しつつ、チェッカー・フラッグを受ける。

    その為の、最善の努力をすると言うことです。

    言うなれば、

    勝利の方程式は、そのどれ一つが欠けても成り立たず。
    完走すらおぼつかない。

    確実に、それを実行できた者のみに、与えられるのだから。。

    ファンは、その最後にドライバーが果たす仕上げの部分(ドラマ)を
    観戦し、エキサイトしている・・・のですが。
      
    一見、華やか?に映るサーキット・シーンも、
  
    実に、ドライバーは狭い仕事場で、極悪の労働条件と道ずれに、
    冷静沈着、ひたすら義務を実行しているのです。

    たった一つの命さえ・・担保に。

    願わくば、次のレース観戦の機会には、
    この様なバックグラウンドのあることを、ぜひ思い出してください。

    ただ単純に、レースの勝敗のみを論じるのでも無く。

    且つ、それが

    取りも直さず、リスキーなステージで、最高!のパフォーマンスを
    我々に披露してくれる。

        『すべての主役達に対する、
               ささやかな礼儀。 ではないだろうか・・・』
                    
                                    - hiro -

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    ※初心者のための車講座
                  
    ◎車を知る【構造編・シャーシー】

    ◇[サスペンション]suspension

    懸架装置とよばれ、

    サスペンション・アーム、スプリング、ショックアブソーバー、
    ダンパー(厳密には、アブソーバーと区別される)等々から成る
    車体懸架装置です。
   
    ◆目的
    ・クルマの乗り心地をよくする。    
    ・クルマの走行姿勢をコントロールする

    ◆種類
    ・独立懸架方式
    ・リジッドアクスル方式

    ◇以上大雑把に分けてみましたが、

    その構成や方式も、クルマの種類(使用目的)によって仕組みが
    異なってきますので、


    次回から、個々の説明をいたしたいと思います。
    
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    謹告。

    このメールマガジンの、読者様のなかで、
  
    1960年代当時、日産自動車追浜工場、第三実験課。(通称Y‐3課)
    に所属されていた方が、もしおられましたら、

    是非、是非、ご一報いただきたい。

    このメールマガジン紙上へ、三顧の礼をもってお迎えいたします。

    当時、日本は国をあげ、まさに重厚長大、怒涛の勢いで経済発展を
    推進してまいりました。

    自動車業界もその一翼を担い、国のキー・インダストリーとして、
    大いに躍進を遂げました。

    日産も、業界初のデミング賞を受賞するなど、
    「技術の日産」として確固たる地位をきずいたのです。
 
    誤解を恐れずに述べさせていただくならば、最も華々しく、パワー
    に満ち溢れていた頃ではないだろうか。

    後の日産の、多方面での活躍をみるまでもなく。

    そのなかにあって、

    Y−3課の存在は知られていても、その秘匿性ゆえ内容は一般の知る
    ところに非ず。

    しかし、そこから世におくりだされた名車の数々は、市場を席巻し
    紛うことなく、その実力を知らしめたのであります。

    今日、世界に冠たる自動車王国を築けたのも、当時の先人たちの、
    血のにじむ努力の賜物であります。

    激動の同時代をふりかえって、大いに語り合おうではありませんか。


    ご連絡お待ちしております。 
             
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     〓 編集後記 〓

    上記の《喫茶室》にも登場した、鈴鹿を語るとき、
    
    必ず思い出す、異色の天才ドライバー浮谷東次郎がいる。

    彼のエピソードを書き始めたら、
    到底この狭い紙面に、収まりきらないのは必至。

    いずれ機会をみながらお伝えしたいと思います。

    名家に生まれながら、

    一般にありがちな、世間知らずの、凡々育ちとは裏腹に、
    一見バンカラな風体に、物怖じしない性格が、華やかな交友仲間の
    中にあって、まさに異彩を放っていた。

    それがまた、そのまま彼の行動の表現になり、
    
    レースにおける、ファイティング・スタイルでもあった。

    もし、興味がおありでしたら、どうぞ! 
         ⇒ http://www8.plala.or.jp/tojiro/tojiro.html

                  強烈な個性の一端が、うかがえます。

    
    何であれ、
    急ぎすぎた23年間の人生は・・・短い。
               ファンの夢、までも置き去りにして。。。
        
    
                            ‐hiro‐

                  ‐平成18年 10月 11日 23時11分‐
                
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         こばやし ひろふみ
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