[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
    中高年と初心者のための『車読本』
             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』
                          
                       − 第59号 2008.01.27 −   
 ──────────────────────────────────────────

    ☆皆様、お元気でしたか!!
          ご購読いつもありがとうございます。
                      
        そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
            
    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

       [等幅フォントか、MSゴシックでお読みください]

    ──────────────────────────────────────────
             
    それでは、今日もご一緒に。
    
    初心者でもプロの知識が!

    ★ やさしい自動車工学【出力編】
  
    【エンジンの出力】

    創刊以来、

    自動車エンジンの、性能に関する基礎的な知識(基本用語)につい
    て、お伝えしてまいりましたので十分ご理解された事と思います。

    ある意味、自称プロの人たち以上にですよ。

    尤も。
    真のプロフェッショナルは、自ら自身のことをプロとは申しません
    が。。

    また機会をみて、
    重要な項目に関しては、繰り返し復習をしていきますね。


    ◆[吸入・排気行程]
    
    前回まで
    「出力を大きくする方法」について、チェックすべき項目を述べ
    てきましたが。

    今回からその内容を具体的に説明していきます。

    ◇吸入効率 inhalation efficiency
    
    前述の通り、
    エンジンの出力を大きくするには、吸入する空気の量に比例して
    増加すると言うことでした。

    ▼このことから、
    「エンジンの性能を比較する」上で、エンジンの大きさや排気量に
    関係なく比較できる「尺度」として、

    吸入した「空気の量」を「排気量」で割った値をもちいて表わした
    ものに、「吸入効率」または「体積効率」があります。

    ▼また一方で
    吸入する空気の重さを、排気量に見合った標準状態(気温、気圧)
    の空気で満たされたときの空気の重さで割ったもの。


    『いいかえれば、
    エンジンの運転状態で、どれだけの重さの空気が燃焼室につめこま
    れたのかを表わしたのが「充填効率」と言います。』


    また「標準状態」においては、    
    「体積効率と充てん効率」は同じになります。


    ▼一般に「吸入効率」は、

    エンジンの構造および運転条件に対する、エンジン自体(吸、排気
    系を含む)の吸い込み能力を表わす「尺度」であり。


    ▼また「充てん効率」は、

    それぞれ違う空気の状態に対しての、吸い込み能力を表わしている
    「尺度」のことを言っているのです。


    くれぐれも混同しないでくださいね。


    ※以上から、

    「吸入圧力と充てん効率」の関係は、

    吸入効率が変わらなければ充てん効率は吸入圧力に比例します。


    また「吸気温度と充てん効率」の関係は、

    吸入効率を一定とした場合、吸気の絶対温度に逆比例するので、
    この性質を利用することで、充てん効率を上げることができます。

    
                         ‐次回へ続きます‐
                                     
        今日も最後までのおつきあい
                ありがとうございました。  
          
    ──────────────────────────────────────────

    大空に夢を!

     ☆ やさしい航空工学【基礎編】
  
    ここでは、

    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。

    今日のテーマです。
    
    ◇航空力学【性能】

    ここで述べられている事柄は、
    なにも航空工学に限られていることではありません。

    お伝えする項目には、
    とうぜん自動車工学にも応用できる内容を数多く含んでおります。

    そのような視点から、

    とかく専門的になりがちな文章は、極力さけてご説明をくわえてい
    くつもりです。

    ◇[利用馬力と必要馬力]

    航空機で言うところの性能は、

    空力特性および機体の総重量によって、変わってくるのですが、
    同じように、使用されるエンジンの性能や装着されるプロペラ特性
    によっても大きく影響されるのです。

    レシプロ機の馬力についてのべてみます。


    ▽利用馬力
    プロペラの回転によって発生する馬力のことを言い、それによって
    利用できる馬力という意味でこのように呼ばれています。

    当然のことですが、
    エンジンの出力を動力にして、プロペラを回転させて馬力を発生さ
    せていることからエンジンの出力よりも小さいですね。


    式で表わすと

     「利用馬力」=「エンジンの馬力」×75×「プロペラ効率」
            
                            となります。

    例えば、
    エンジンの馬力が1000馬力で、プロペラ効率が80%の航空機の利用
    馬力は、1000×0.8=800馬力になりますね。


    このことからも解るように、
    200馬力もの出力は、プロペラが回転することで起きる空気抵抗に
    よって発生した、摩擦熱や騒音に変換されてしまい何とも勿体ない
    ことなのです。


    かように航空機が実用できる「利用馬力」に及ぼすプロペラ効率が
    いかに大きいものかお解りいただけたとおもいます。

    また式の中で表記されていた「75」の数字は、馬力を「Kg-m/s 」
    に換算する係数です。


    ▽必要馬力
    航空機が空気中を飛行するとき、
    当然のこと空気抵抗を受けますね、この空気抵抗に勝って飛行する
    には、

    ある一定の出力を必要とすることからこれを「必要馬力」と呼んで
    います。 


    式であらわすと

     「必要馬力」=「航空機全体の抗力」×「飛行速度」

                            となります。


    飛行速度を維持して飛行するには、
    航空機全体の抗力を小さくすれば、必要馬力も小さくてもよいのが
    お解りできたとおもいます。


    以上のことから、
    「利用馬力」と「必要馬力」の関係は次のようになります。

    ・利用馬力=必要馬力        水平飛行の時
    ・利用馬力>必要馬力        上昇飛行、増速飛行の時
    ・利用馬力<必要馬力        降下飛行、減速飛行の時
 
                         ‐次回へ続きます‐

                           
         今日はここまでです。
                 おつかれさまでした。
                
    ──────────────────────────────────────────

    ちょっと一息!

   《喫茶室》

    ◇[タッツオ・ヌヴォラリ] Tazio Nuvolari
              
    ‐当代随一!天才ドライバー‐

    世に言う天才と形容される人達には、独特の世界観がある。

    とても常人などの窺い知るところではない。


    しかし、この稀有まれなる形容詞さえ、
    あまりにも安易につかわれすぎている昨今、
    その言葉の重みが失われつつあります。


    尤も、レーシング・ドライバーを職業として、
    その最高峰である、グランプリ・レースにエントリーできる全ての
    ドライバー達は、天才と呼べるのかもしれない。。
    

    だが今回取り上げる彼こそは、
    かのスターリング・モスと並んで、過去はもとより現代に於いても
    尚、天才と言えるドライバーの筆頭に異論はない。


    ‐タッツオ・ヌヴォラリ‐
    1892年11月イタリアに生まれる。

    天才といえども、ご多分に洩れず、
    他のドライバー達がそうであったようにスピードに憧れ、
    モーターサイクルのライダーとして、先ず国内レースにデビューする。

    350回以上の参戦で優勝回数105回を数える、
    さらに1924年、1926年にはチャンピオンを獲得。


    しかし夢は自動車レースのドライバーに、
    そして母国イタリアの名門アルファ・ロメオのチームへ。
    

    彼の超人的な才能は、
    グランプリ・レースのサーキットから、スポーツカーによるロード
    レースの舞台にまで及ぶ。

    なかでも、
    イタリアをほぼ一周する最もテクニカルなロード・レース、
    それがあの伝説のミレ・ミリアである。


    そのときのレースに、こんな逸話があった。

    チームメイトであり、ライバルでもあったアキレ・バルツイは既に
    ヌヴォラリより11分も前にスタートを終えていた。


    懸命に追うヌヴォラリ、
    だがローマを過ぎるまで、バルツイはまだヌヴォラリを10分ほどリ
    ードしていた。


    そして、ここからがヌヴォラリ、勝利への激走!が始まる。

    夜間の街道、
    当時の状況は漆黒の闇に包まれている。。


    油断大敵!

    バルツイは注意深く後方に眼を凝らす、しかし背後に迫る一条の光
    芒さえ無い。
       
    相変わらず闇に包まれている‥‥ひと安心。


    また後方に注意。。大丈夫!?

    繰り返す・・。


    何も見えない。
    。

    。

    っとその時、傍らを黒い塊が矢のように走りぬけていった。

    確かに‥‥?

    その黒い影こそ、紛れもないヌヴォラリだった。

    ヌヴォラリはストレートで灯火を消し、先を行くバルツイの尾灯を
    捉えながら迫っていた。

    そして一瞬のチャンスで勝利をもぎとったのです。

    天才ドライバー、ヌヴォラリの勝利への執念を垣間見る出来事です。


    またこんなエピソードも‥‥。
                       
                         ‐次回へ続きます‐                       
              ‐hiro‐     
    ──────────────────────────────────────────
  
     初心者のための車講座。
                  
   ◎ 車を知る【ホイール編】 
  
    ◆【ホイールの基礎知識】

    タイヤとサスペンションを仲介するパーツで、デザインや材質にも
    様々な種類が用いられています。

    ▼先ず種類ですが、
 
    大きく分けてスチール、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の
    素材で造られています。

    また製造工法にも、
    鋳造工法および鍛造工法があり、特徴もそれぞれ一長一短があって、
    一概には言えず個人の使用目的や好み、予算に応じて選択されると
    よいでしょう。

    ・スチール製は、
     製造コストが安く強度においても期待できるが、なんといっても
     他の素材に比べて、重いため運動性能に多少の難がある。

     一般普及車に多く使用されている。


    ・アルミニウム合金製は、
     スチール製ホイールに比べて、その重量比が約三分の一と軽く、
     それに熱伝導率にも優れていて、特にブレーキ系統の放熱作用に
     大きな効果を発揮しています。
     
     また製造しやすいため、デザインの種類も多く、ファッション性
     に優れているが、スチール製に比べてコストが高い。

     高性能車等におおく用いられています。


    ・マグネシウム合金製は、
     他の素材に比べて一番の特徴は、アルミ二ウムの約三分の二の軽
     さにあります。

     また強度の面でも格段に優れていて、高い評価を得ているものの
     製造コストがまだ高いため一般的でない。


     現段階では、主にレーシングカー等に採用されている。


     またそれぞれの
     素材における製造方法によっても、特徴に違いがでてきます。


     鋳造工法では、

     鋳型の中に溶かした素材を流し込んで造る工法で、自由度の高い
     デザインも可能な反面、重くなる。


     それに比べて、

     鍛造工法は高い圧力をかけて成型するため、素材の密度は増加し
     強度も高くなる、それに軽量化も計られるが製造コストが高い。
     
   
                         ‐次回に続きます‐
               
    ──────────────────────────────────────────

    〓 編集後記 〓

    日々、極寒の情報が活発に報道されています。

    冬本番!真っ只中ですね。

    この凍てつく、張りつめた空気の感覚がなんとも言えず気持いい。


    大陸の高気圧、自動車エンジンには最高のご馳走ですね。


    しかし
    私達の呼吸器官にはちょっと厳しい。
    くれぐれも風邪などひかぬようご注意ください。                
                             ‐hiro‐

                  ‐平成20年01月27日 23時30分‐
              
 ──────────────────────────────────────────
 
  中高年と初心者のための『車読本』
  発行システム:まぐまぐ! http://www.mag2.com/
  ★配信中止はこちら http://blog.mag2.com/m/log/0000178136/

 ──────────────────────────────────────────
  
  発行元 : HIRO.ENTERPRISE    
  発行者 : CARLIVE SEEKER 『車は1/1の模型だね!』
         こばやし ひろふみ
  ブログ : http://blog.livedoor.jp/staff_17/
  メールアドレス :studio_rei@yahoo.co.jp
  ☆登録解除 : http://blog.livedoor.jp/staff_17/

  Copyright(C)HIRO.ENTERPRISE All rights reserved.
             ‐無断引用転載禁じます‐