[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典!!
    中高年と初心者のための『車読本』

          by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                         
                              − 第68号 2009.03.28−
   
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 ☆皆様、お元気でしたか!!
       ご購読いつもありがとうございます。                      

     そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
        
 ‐このメールマガジンは‐

 難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
 中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
 お伝えしているつもりですが、

 時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
 もあります。

 そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
 ご安心ください。

 また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
 自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
 うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

          [等幅フォントか、MSゴシックでお読みください]
 
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 それでは、今日もご一緒に。    

 初心者でもプロの知識が!
 
 ★ やさしい自動車工学【出力編】   
  
 【エンジンの出力】

 創刊以来、

 自動車エンジンの、性能に関する基礎的な知識(基本用語)につい
 て、お伝えしてまいりましたので十分ご理解された事と思います。

 ある意味、自称プロの人たち以上にですよ。

 尤も真のプロフェッショナルは、自ら自身のことをプロとは申しま
 せんが。。

 また機会をみて、
 重要な項目に関しては、繰り返し復習をしていきますね。

 [圧縮比]compression ratio
 
 前回の説明によって、
 高圧縮比エンジンの出現は、おもに燃焼室を中心とした、機械的な
 オクタン価の向上と、きわめてアンチノック性の高い燃料が簡単に
 作られるようになったことが理由にもなります。

 注)▼機械的オクタン価

   これはエンジンの燃焼室のオクタン価のことをいい。
   相対的により低いオクタン価の燃料が使えれば、その燃焼室は
   機械的オクタン価が高いといいます。

   ▼アンチ・ノッキング性 

   ノッキングを起こしにくい性質。
   オクタン価の高い(ハイ・オクタン)ガソリンほどアンチ・ノ
   ック性がある。

 それでは、今日のテーマ

 ◆「高圧縮比とエンジン性能」
 
 エンジンの基本的な構造によって、圧縮比が性能に影響をあたえる
 要素はそれぞれ違ってくるのですが、

 一般的に圧縮比を高くしたとき、ノッキングやプレイグニションな
 どの異常燃焼を発生させないかぎり、

 低速から高速までの速度範囲にわたって、
 全般に「軸トルク」が大きくなり、「燃料消費率」いわゆる熱効率
 もよくなります。

 一方で、
 前述した適正な「バルブ・タイミング」であったり「吸入抵抗」の
 減少によって得られる性能向上の方法には、

 その効果が現れる速度範囲(エンジン回転域)があって、それ以外
 ではエンジンの出力が低下したり、

 燃料消費率が悪くなるのにたいして。

 『圧縮比を上げることで、全般にわたって、すなわち「全速度範囲」
 「全負荷範囲」「出力」「燃料消費率」のすべてに性能が向上する
 大きな特長があります。』
 
 このように優れた結果が得られる一番の理由は、高い「熱効率」に
 よるものなのです。

 ※だからと言って、
 ここで大切なことは「高圧縮比」がすべてではないと言うことで。

 適正なバルブ・タイミングや吸入抵抗の軽減を、キチンとおこなっ
 てこそ圧縮比を上げたメリットがうまれるのは言うまでもない。
   
            
                            ‐次回をお楽しみに‐
                                     
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 大空に夢を!
 
 ☆ やさしい航空工学【基礎編】   
 
 ここでは、
 筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
 航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
 どうぞ楽しんでください。
    
 航空力学【安定性】編

 ここで述べられている事柄は、
 なにも航空工学に限られていることではありません。

 お伝えする項目には、
 とうぜん自動車工学にも応用できる内容を数多く含んでおります。

 そのような視点から、

 とかく専門的になりがちな文章は、極力さけてご説明をくわえてい
 くつもりです。

 今日のテーマです。

 ◇[静的安定と動的安定]static stability & dynamic stability

 前の号までは、航空機の「性能」に関する各項目について述べてき
 ました。

 今回から「安定性」についてご説明をしていきます。

 ▽ここで抗力について思い出してみてください。

 尾翼の抗力は飛行機全体の30%も占めていましたから、この尾翼を
 無くすことができれば、

 そのまま飛行性能が単純に、30%向上することになりますね。

 しかし不必要どころか非常に重要な役割を担っています。

 30%もの飛行性能を犠牲にしてさえも。。

 ※これこそ
 航空機にとってもっとも「重要な条件」と言える「安定性」を保つ
 重大な働きをしているのです。

 飛行の安全を約束されない航空機など、存在そのものが危険極まり
 ないのだから。

 そしてこの「安定性」に大きな貢献を果たしているのが、「尾翼」
 なのですね。

 ▽たとえば、
 飛行中の航空機が、いきなり周りから突風をうけた場合、飛行の姿
 勢が一時的に乱れることがあります。

 しかしそのような場合でも、すぐもとの状態(姿勢)に自動的に戻
 ることができる。

 それは飛行機に働く「復元力」によるもので、その効果も「安定性」
 の種類によって変わってきます。

 また反対に復元力が働かず、飛行機の飛行の姿勢が大きくみだれて
 回復が困難になりかねない状態を「不安定」といい。

 ▽そして、「安定」な状態を大きく分けると、
 「静的な安定」と「動的な安定」に分けることができる。

 更にこれを分類すると、以下のような種類になります。

 ・静的安定  :飛行の姿勢におよぼすかく乱をうけたとき、速や
           かに元の姿勢に戻ろうとする。

 ・静的不安定 :飛行の姿勢の乱れが復元されず、迎え角がさらに
           大きくなっていく。

 ・静的中立安定:飛行の姿勢にかく乱をうけたとき、復元されずに
           そのままの姿勢を維持する。

 ・動的安定  :飛行の姿勢にかく乱をうけたとき、時間をかけな
           がら元の姿勢に復元する。

 ・動的不安定 :飛行の姿勢にかく乱をうけたとき、時間の経過と
           ともに、さらに乱れが大きくなっていく。
 
 ・動的中立安定:飛行のかく乱れをうけたとき、時間の経過ととも
           に一定の振幅をくりかえす。

 
 これからも解るように

 飛行している機体に周りからの外力をうけても、瞬時にもとの状態
 に戻ろうとする場合には、「静的に安定」であると言い。

 またそのかく乱の状態が時間とともに、もとの状態に戻っていく場
 合を「動的安定」と言っています。

 このように飛行中の機体には、外周からの力によって姿勢のバラン
 スに大きく影響をうけているのですが。

 『一言でいえば、どのような状態においても、速やかに元の飛行の
 姿勢に復旧させようとする性質を「安定」と呼んでいます。』
          
                              ‐次回へ続きます‐                    
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 ちょっと一息!

 《喫茶室》

 ◇[スターリング・モス] Stirling Moss  
            
 ‐熱いドライビング‐
  
 おそらく彼ほど、
 多くを勝ち、多くのモータースポーツ・ファンを熱狂させたレーシング
  ドライバーはいない。

 絶対的に不利なマシーンで、強大なパワーを誇るライバルマシーン
 をコーナーで抜き、

 しかし、ストレートでまた抜き返されるも、
 次のコーナーを抜けたときには、再びライバルの前を走っている。

 このファンの心を鷲掴みに魅了してやまない。

 モスの熱いドライビングスタイルを、人々は彼の名と共に生涯忘れ
 ることはないだろう。

 彼のモータースポーツへのデビューは、1947年クーパー500まで遡る。
 当時まだ彼は18歳。

 にもかかわらず、既に優勝10回、名声は広く知れ渡っていた。

 そして初のF1参戦の糸口となる1950年、自国イギリス製マシーン、
 HWMを選択。

 だがこのイギリス製、唯一のF1マシーンは、
 既にレースでは実績のある、イタリア製のそれと比べて、あらゆる
 面ではるかに劣っていた。

 それなのに、パリGPでは3位入賞をやってのける。

 さすがにこれには周りの人たちも驚いた。
 この非力な車で、パワフルなイタリア・マシーンを相手に孤軍奮闘
 するモスを、

 あの御大ファンジオが見ていて、ナイスボーイを連発、賞賛したエ
 ピソードは有名。

 またル・マンにも出場、167.662km/hのラップレコードを樹立。

 さらに一流ドライバーの証となる、
 世界屈指の難コース、ニュルブルクリンクにおいて、F2のニュー
 レコードも叩きだす。

 まさに天才の片鱗がうかがえる。

 尚1952年には、
 サンビーム・タルボのチームで、冬のモンテカルロ・ラリーに初出
 場して見事に2位入賞を果たす。
 
 この輝かしい戦績のモスが、
 プロフェッショナル・レーシングドライバーとして、本格的なレー
 スにデビューするのは、

 1954年からになる。。

 1953年、こんなエピソードがあった。
     
                                    ‐hiro‐     
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  初心者のための車講座。              
  
 ◎ 車を知る【出力編】   
 
 【吸入効率と排気効率】

 この項では、
 上記の「やさしい自動車工学」の過去号で取り上げた中でも、特に
 人気の高かった項目について、

 よりやさしく説明を加えていきます。
    
 前回までの説明で、
 エンジンの出力向上に「高圧縮」と「高速回転」が大きな効果を発
 揮していることがお解りいただけたと思います。
 
 今日のテーマ

 ◆「吸入効率」inhalation efficiency

 エンジンの出力をアップさせるには、吸入効率(充填効率)を上げ
 てやる方法もある。

 思い出してください。

 燃焼室内に吸入する空気の量が多ければ、それだけ圧縮圧力も高く
 なり、高い燃焼圧力(膨張圧力)を発生し、出力が増加する。
 
 またそのために、
 キャブレーターの吸入効果を上げたり、たとえば「一シリンダーに
 対して一個のキャブレーター」にしたり。

 さらに空気を強制的に燃焼室に送り込んでやる。

 そのために、「ターボチャージャー」やス「ーパーチャージャー」
 のような「過給機」を用いてやれば、吸入効率の効果を高めること
 ができる。 

 しかし吸入効率だけにとらわれていては、出力アップの効果は十分
 とはいえない。

 なぜならば、
 基本的に空気の吸入量は、燃焼室内の「負圧」を利用して空気を吸
 い込んでやるために、

 燃焼室内には、
 燃焼ガスや未燃焼ガスなどの残留ガスが何もない、空っぽの状態が
 望ましい。

 我々も息をおもいっきり吐き出した後は、自然と吸い込む空気の量
 も多くなりますよね。原理は同じなんですね。


 そこで考えなければならないのが、

 ◆「排気効率」exhaust efficiency

 もっとも、
 ここで言う排気ガスの慣性のみならず、前述の通り吸入行程におい
 ても、吸気の慣性が重要な要素を占めていたことで、理解できるの
 ではないでしょうか。

 排気効率を上げるには、
 適正なバルブ・タイミングや、排気系統を流れる排気ガスの慣性が
 効率よく働かなければならない。

 そこで、
 排気系統の抵抗を少なくするために、エキゾースト・マニホールド
 やエキゾースト・パイプそれにマフラーなどの大きさ。

 いわゆる長さ、径、形(構造)、取り回し、それに材質の果てまで
 慎重に検討して、効率の高い排気系統ができる。


 ▼これら「吸入効率」「排気効率」が最高のマッチングとなれば。

 あとは、
 適正なバルブ・タイミングで高圧縮、高密度の混合気を、吸入の慣
 性を利用して吸い込んでやればよい。

 結果、とうぜん高い燃焼圧力(膨張圧力)が発生する、出力の向上
 である。

 そして、この高温、高圧の燃焼ガスは効率良く仕組まれた排気系統
 を排気の慣性で排出される。

 以上はあくまで自然吸気の場合であって、
 これにスーパー・チャージャーやターボ・チャージャー等の過給方
 法を取り入れたなら、

 さらに吸入効率を高め、出力アップが見込める。
  
                                   ‐hiro‐


                今日はここまでです
                      おつかれさまでした。
                         
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 〓 編集後記 〓

 今晩は、三寒四温も余り感じないまま、季節は春!

 あなたの地方は、
 もう桜の時節でしょうか。
 
 当地はまだ少し先になりそうです。
 
 それよりも今、花粉症でかなりつらい日々を送っております。

 これって特効薬ないのかな〜。。
 まっ、もうしばらくの辛抱をするか。
         
            
                                      ‐hiro

                          ‐平成21年3月28日 23時30分‐             
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