[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
   中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                          
                      − 第41号 2006.09.20 −   
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  ☆皆様、お元気でしたか!!
      ご購読いつもありがとうございます。
                      
         そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
 
    ◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
     メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。

     よろしくお願いいたします。
           
    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

               [等幅フォントでお読みください]

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    それでは、今日もご一緒に!
  
    ★ やさしい自動車工学
  
    前回から始まった「シリンダー内の正常燃焼」は如何でしたか?

    まだまだ続きますよ。
 
    それでは、今日のテーマ。

    【シリンダー内の正常燃焼】normal combustion
    [燃焼過程・続編]

    燃焼過程中の

    シリンダー内に於ける混合気の「圧力変化」は、次の二つに分ける
    ことが出来ます。

    ◆第一期「感応期」

    スパークプラグで点火された混合気は、

    最初はプラグの先端部分に火焔が発生して、そこから徐々に燃焼が
    拡大していくのですが、

    混合気自らに

    火焔伝播をするだけの、炎の核が生まれていても、
    この期間は「燃料の性質」「混合比」「温度」「圧力」などに影響
    を受けていて。

    熱の発生は僅かなので、

    この「感応期」に於ける「圧力の上昇」は、認められないのです。
        
    ◆第二期「一般燃焼期間」

    ようやくここにきて、初めて、圧力の上昇が起きます。
        
    圧力が最大のところで

    「発生熱量」と「放出熱量」とがバランスするのですが、
    まだ燃焼は完了していません。

    熱の発生は、
    「膨張行程」まで続き、これを、「後燃え」 after burning
    と言います。 
           
    [燃焼を制御する条件]

    ◆「着火遅れ」ignition delay(ignition lag)

    エンジンの燃焼は、
    おもに「火花点火」と「火焔伝播」の組み合わせでしたね。

    ところが、
    実際のエンジンでは、「着火遅れ」が問題になり、

    とくに「濃過ぎる混合気」また反対に「薄過ぎる混合気」では、
    かなり深刻になります。

    ◆「燃焼速度」normal burning velocity

    燃焼の速度、

    つまり「火焔速度」flame velocity は、何よりもその時の
    混合気の「乱れ」turbulence の強さが影響するのです。
  
    またシリンダー内に於いて、
    混合気の「乱れ」は、「吸入時」に発生するものと、ピストンの
    上昇による「圧縮時」注。に発生する場合と、

    それに、
    燃焼の進行にしたがって、未燃焼ガスに強い「乱流」を発生する
    ものなどがあります。

    ◇このことから、
    『乱流の発生によって、燃焼速度は増加し。

    また回転速度が増すことで、乱流も強くなり、燃焼に要する時間が
    短縮されます。』

    ※実はこれこそが、
    
     『エンジンを高速で運転できる』最大の理由なのです。

                       ‐最重要項目です‐


    しかし、
    「着火遅れ」の期間はそれほど変化しないので、回転速度が増せば
    当然「クランク角」でその分長くなるから、エンジン速度の増加と
    ともに「点火時期を早くする」必要がうまれてくるわけですね。
   
    注。【着火遅れ】ignition delay
      ・感応期、着火待ち時間、燃焼誘導期などとも言う。

      【燃焼速度】normal burning velocity
      ・炎の面がその面に直角に、未燃焼部に「進入する速度」を言い。

      つまり「未燃焼ガス」に対する火焔面の「相対速度」のことを
      言うのです。

      【火焔速度】flame velocity
      ・厳密に言えば、燃焼速度とは多少異なり、
     
      燃焼速度に過流または、燃焼ガスの膨張にともなう排斥作用に
      よる「ガスの移動速度」を加えたもの。

      即ち、燃焼室の壁面にたいする速度を言います。
    
      【乱れ】turbulence
      ・過流 swirl とも言い。

      ピストンが上昇するときに、燃焼室の上面とピストンヘッドと
      の狭い面で混合気を押し潰して、混合気に乱流を与える事から

      これを、squash と言います。

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    ☆ やさしい航空工学
  
    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。

    前回の「翼型特性」は、いかがでしたか。

    ◇翼型特性に影響を与える、

    主な項目の、翼厚、キャンバ、前縁半径などについて述べてみま
    したが、ご理解いただけましたか?
   
    ◇この理論は当然!

    「模型飛行機」の分野でも使えますから、いろいろ試して、楽しん
    でみてください。

    今日のテーマです。
    
   【翼型理論の基礎】
    [高揚力装置]

    飛行機の離陸や
    着陸時に於ける理想は、極力遅い速度で、なおかつ短い滑走距離で
    離着陸できることです。

    そしてこれを可能にするために、
    飛行機の主翼にかかる揚力のほかに、これを補助するための装置と
    して主翼に施されたのが「高揚力装置」と言われるものです。

    ◇「フラップ」flap

    フラップとは、
    主翼のキャンバを大きくして、飛行機の離着陸時に「高い揚力」を
    発生させる働きをもつ装置のことです。

    
    このことは、

    同時に、フラップを角度一杯下げることによって、「抗力を増大」
    させることになるので、飛行機の「着陸距離を短くする」ために、
    使われています。

    ◇フラップの種類

    1)単純フラップ simple flap (plain flap)

    単に主翼の後縁を、下に折り曲げるもので、構造が単純で小型機に
    多く用いられています。

    これは、
    補助翼の作動と同じように、翼の後方の一部が折れ下がるように
    なっていて、

    これを折り下げるとキャンバーを増したことになり、最大揚力係数
    が増大します。

    空気力学的に優れているものの、構造的にみて難問もあります。

    2)スプリット・フラップ split flap
   
    開きフラップと言い、
    主翼後縁の下面の一部を下へ折り曲げるもので、構造が単純ですが
    あまり大きな揚力は得られません。

    すなわち、
    翼後縁の下面の一部が、蝶番で接続されていて、これが開いて折れ
    下がり、翼下面の気流に下向きの分速度をあたえて揚力を増大させ
    るものですが、

    断面の形が不自然なために、揚力が増加する反面、抗力も著しく
    増すために、

    このフラップは、
    空気ブレーキと同じ効果があり、その使用は着陸時にのみ効力を
    発揮します。
    
    3)ファウラーフラップ fowler flap
    
    翼型をしたフラップが
    通常は、主翼後縁の下面に収まっていて、作動時にこれを下げる
    ことで後ろへずり下がり、

    それによって、主翼とフラップの間に隙間が生まれて、キャンバ
    を増すと共に、主翼の翼面積も増大するので大きな揚力を得られ
    きわめて有効な方法ですね。

    所謂、増面積(翼面積の増加を目的とした)下げ翼の一種です。
                    
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    今日の本題。

    ◎車を知る【構造編・エンジン】
    [エンジンオイル・続編]engine oil

    前号でエンジンオイルの重要性をご理解頂けたと思います。
    
    引き続き今回も
    エンジンオイルについて補足説明をいたします。

    「エンジンオイルの種類」

    【SAE規格】
    アメリカ自動車技術者協会(SAE)が制定した、

    オイルの「粘度」を表わした規格です。

    使用するエンジンの

    「特性」や「使用環境」また「使用条件」などで、適用オイルの
    種類(粘度指数)が違ってきますので、

    ※ご自身のクルマに添付されている、

    「取り扱い説明書」または、メーカーやデーラーのサービス窓口等
    でお確かめ下さい。‐厳守してください‐

    ◆誤ったオイルの選択は、
    エンジンの寿命を著しく損なうだけでなく、出力低下、燃費の増加
    等々、経済的にも悪影響を及ぼします。

    以下に簡単な「粘度表示」の説明を記しておきます。    
    例)[10W−30]とSAE(粘度)表示されているオイルは、

    「マルチグレードオイル」と言われる、オールシーズン用オイルの
    表示です。
   
    前半のアルファベット「W」は、
    Winter(冬季)の意味です。つまり低温時の性能を表わしています。

    そして前についている数字、
    この場合の「10」は、「外気温−20℃」の環境でエンジンの始動性
    を維持できると言うことです。

    ◆またこの数字が小さいほど、耐寒性にすぐれていると言えます。

    つぎに後半の数字は、
    この場合、「30」ですがこれは、エンジンオイルが「100℃」の
    ときの粘度を表わしています。

    ◆つまりこの数字が大きいほど、

    高温時に於けるオイルの粘度を維持できると言えるのです。

    ※要約すると、
    オイルの粘度は、温度の変化に影響されやすく、その粘性を比べる
    のに同一条件(同じ温度)で行う必要があるわけで、

    その基準になる
    測定温度(オイル温度)は「40℃」と「100℃」の基準温度で測定
    されます。

    そしてこれによって、
    低温時〜高温時までの粘度指数の判定が簡単に出来るのですね。

    ◆つまり、
    「マルチグレードタイプ」で言えば。

    前半の数字でみる、
    5W、10W、20W‥‥等の表示は、寒冷時でのエンジン「始動性」
    の判断に。

    そして数字の小さいほど、粘度は少なく始動性は良い。

    また後半の数字は、
    高温時の「粘度特性」をあらわしたもので、その数値の大きいほど
    粘度が高く、

    「高温環境」で、運転中のエンジンに於いても、高い粘性を維持で
    きるのです。

    ◆このように、

    エンジンオイルは、周りの環境、特に温度によってその粘度特性が
    著しく変化(温度が高くなるほど軟らかく、低くなるほど硬くなる
    性質)するので、

    このような、分類が必要になるのですね。

    そしてこの他にも、

    ◆オイルの選択材料として、【API規格】があります。
    これは、オイルの「品質規格」としてアメリカ石油協会が制定した
    標準規格です。

    使用にあたっては、
    現時点での最高グレードの「SM規格」のオイルをお薦めします。

    2004年に制定された、ガソリンエンジン用として最高グレード。

    ・省燃費性(燃費向上)
    ・オイル消費防止性(耐久性の向上)
    ・酸化安定性(有害排気ガスの低減)

    などをクリアした、

    酸化劣化しにくい、低温流動性にすぐれた「省燃費規格」と言える、
    環境対応オイルです。

    ●以上から、
    エンジンオイルの購入時には、「SAE規格」と「API規格」の
    組み合わせから、あなたのクルマに最も適したオイルを、お選びく
    ださい。
                                                          
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    〓 編集後記 〓

    こんにちは、
    皆さんの地方、台風の影響はどうでしたか?

    大丈夫でしたか?
    今年は、年明け早々、大変な幕開けでしたからね。
    何故か、この異常ともいえる気象の変化が、

    年間を通して、当たり前のようになってきました。
  
    偏西風の蛇行現象によって、世界規模での気象の異変がおきている。
    解明が急がれます。


    この秋こそ、
    充分に季節を満喫!したいものです。
            
                       ‐hiro‐

                 ‐平成18年 9月 20日 22時15分‐
                
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         こばやし ひろふみ
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