[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
   中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                          
                      − 第29号 2006.6.28 −   
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  ☆皆様、お元気でしたか!!
      ご購読いつもありがとうございます。
                      
         そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
  
    ◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
     メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。

     よろしくお願いいたします。

    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

               [等幅フォントでお読みください]

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    それでは、今日もご一緒に!

     ★ やさしい自動車工学

    前回の「各、燃料系統の働き」 は、いかがでしたか。

    このような気化器の
    「燃料系統の働き」は、もちろん「機械式燃料噴射装置」について、
    述べているものであって、

    当然のこと、
    最近の「電子制御式燃料噴射装置」では、これらの仕組みや働きを、
    コンピューターでコントロールされた、インジェクターによって
    燃料の供給をしているわけですね。
    
    それにもう一つ、

    ◆5)加速燃料系統 accelerating fuel system

    これは、クルマを急加速!

    させた時、瞬間的に絞り弁(スロットルバルブ)を開くわけですね、
    そのときの「吸入する空気の量は増加」するのですが、

    燃料は空気より重いため、

    言いかえれば慣性が大きいことと、燃料がメイン・ジェットなどの
    細い通路を通るときの抵抗、等で。

    必要な燃料の吸入量が、
    空気に比べて少なくなり、その結果「混合比」は極めて薄くなる。
    
    ◆このため低速から、

    急加速をするときに、燃料の不足分(混合比)を補うために、
    「加速燃料系統」が必要になるのです。

    以上の条件を満たすために、

    ◆加速系統では、勢いよく燃料を噴出させることで、不足分を早く
    補うことが必要なのですね。

    またそのことで、
    燃料の霧化の向上を図ることが、重要になってくるのです。
    
    それでは今日のテーマです。

    ▼気化器の燃料系統とその働き

    ◆【各燃料系統の分担】
   
    「スロー燃料系統」slow fuel system
   
    スロー燃料系統は、
    絞り弁をわずかに開くと、急速に燃料を吸入する負圧が増加して、
    燃料の流量も増加します。
   
    ◆スロー燃料系統からの燃料は、

    一般的に燃料の霧化が非常によいのだが、絞り弁の開度の変化に
    対して、負荷の変化が激しい。

    いうなれば、「スロットルに過敏」な燃料系統といえるのです。

    そのため「スロー燃料系統」内の、
    各、燃料噴出口の間での、スムーズな燃料流量の引継ぎが必要に
    なってくるのです。

    ◆スロー燃料系統の燃料通路は、

    メイン・ジェットを通ったあとで、分岐されるのが一般である。

    したがって、絞り弁が開き、しだいに高速となって、
    メイン・ノズルの負圧が高くなると、

    今までスロー系統にのみ流れていた燃料は、
    しだいにメイン・ノズルにも流れるようになってくるのです。

    ◆スロー系統の燃料通路を、

    『メイン・ジェットを通った後に配置するのは、
    スロー系統からの燃料が、巡航時にまでも尾を引いてながれ、
    燃料消費率が悪くなるのを防ぐためなのです。』
    
    ◆絞り弁開度の大きい高速運転では、

    「スロー・ジェットは、空気の通るエア・ブリードに変わる
    ことがある。」

    低速、軽負荷運転のときは、
    スロー燃料系統から燃料が流れているが、絞り弁を開き高速に
    すると、メイン・ノズルから燃料が出始めます。

    さらに絞り弁開度と、速度を増していくと、
    「メイン・ノズルの負圧」は次第に増して、遂には「スロー系統
    の噴出口の負圧」と同じになります。

    このことからも解るように、

    ◆メイン・ノズルとスロー燃料系統の噴出口は、通じているので
    常に同じ燃料を、互いに引きあっているのですね。

    ◆もっと絞り弁を開き高速にすると、

    『メイン・ノズルの方の負圧が高くなるので、スロー系統の通路
    にある燃料は、メイン・ノズルへと吸い出されてしまい、
    それ以降スロー・ジェットはエア・ブリードにかわってしまう。』

    これは高速で、
    パワー燃料系統を含めた燃料流量が、頭打ちになる原因の一つ
    となることもあるのです。

    このため実際の運行中に、
    カー・ノックを発生する原因になることもあります。

    ◆注。カー・ノック

       舗装道路(この方がわかりやすい)を、

       ほぼ一定の速度で、または軽く加速しながら走行して
       いるときに、一度だけ失火 miss fire をしたように
       なる事がある。

       そのあとは、
       異常もなく走行を続けることができるのですが。
    
    というような現象をいうのですが。

    これは、「スロー・ジェット」が「エア・ブリード」となって
    いるときに、絞り弁(スロットル・バルブ)がわずかに閉じる
    方に動くと、

    スロー系統の噴出口の負圧が高くなり、

    メイン系統の燃料を引き戻し、このため燃料が希薄になって
    起こることが多いのです。

    つまり前述の通り、
    「スロー・ジェット」がいわば、「エア・ブリード」から
    「燃料ジェット」に切り変わったために起きた現象で、

    フラット・スポット flat spot とも言われているのです。
                              
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    ☆ やさしい航空工学

    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。

    前回から始まった「航空力学の基礎」いかがでしたか?

    「連続の法則」などは、

    常日頃、生活の中で経験、または実感していることなので、
    ことさら力学的に構える必要もないと思います。
    
    では今日のテーマ。

    ▽航空力学の基礎
   
    ◇【ベルヌーイの定理】
  
    ◇[動圧]

    いま貴方が、
    仮に高速で走行しているクルマの窓から、顔や手を出すと
    (実際にはヤラナイデください)強い風圧をうけますね。
    
    また速く流れている、
    川で流れる水の方向と、直角の方向に手を広げたとすると、
    川下へ流されそうな強い力を受けますよね。

    このような圧力を「動圧」といい、
 
    次の式で表します。
     
    ◇ 動圧 = 1/2 ×(流体の密度)×(流れの速さ)2乗

                           となります。

    このことから、

    ◇「動圧は流れの速さの2乗に比例して大きくなる」ことが、

      理解できたとおもいます。
   
     ◇[静圧]
    
    空気が動いていない静かなときでも、
    大気圧というもので、私たちは押し付けられていますね。
   
    しかし、動圧のように痛く感じたり、

    川下に流されるような、圧力を感じることもありませんね。
    これは、上下、前後、左右、すべての方向から同じ大きさの圧力
    がかかっているからで、

    この圧力を「静圧」といいます。

    ここで前回の「連続の法則」のなかで、
    「管の径の大きいところでは、流れは遅くなる」と述べましたが、
    
    これを式で表すと、

           静圧 + 動圧 = 一定
                  
                       となります。

    「これは概論を式に置き換えて、簡単に説明したものであって、
    本来の式はもっと複雑ですが、ここでは省きます。」

    ◇この式から流れの遅いところでは、

    側面の圧力が高くなり、反対に流れの速いところでは、低く
    なるのが理解できますね。
    
    この式は、流体力学において最も基礎的なもので、

    1738年スイスの物理学者ベルヌーイによって、初めて発見された
    もので、これを『ベルヌーイの定理』といいます。

    この原理を利用して、
    航空機の飛行速度「大気速度」を測るもので、速度計の受感部、
    「ピトー管」と呼ばれているものがあります。
                   
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    今日の本題。

    ◎車を知る【構造編】

    ▼[ディストリビューター]distributor

    先の号で、説明した点火コイル(高い電圧を発生させる装置)と
    点火プラグの間に設置されている。

    その働きは、
    名前(配電器)の通り、点火コイルでつくられた高い電圧を
    もった電流を、各スパークプラグにプラグコード(高圧コード)
    を介し、必要なタイミングで瞬間的に送っているのです。

    それによって、
    スパークプラグが、燃焼室内の高温、高圧にされた混合気に、
    点火して燃焼を発生させるのですね。

    またプラグの点火時期が、
    エンジンの性能特性にも、直接影響を与えるので、エンジン
    に見合った、シビアなタイミングの調整が求められるのです。
                  
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    謹告。

    このメールマガジンの、読者様のなかで、
  
    1960年代当時、日産自動車追浜工場、第三実験課。(通称Y‐3課)
    に所属されていた方が、もしおられましたら、

    是非、是非、ご一報いただきたい。

    このメールマガジン紙上へ、三顧の礼をもってお迎えいたします。

    当時、日本は国をあげ、まさに重厚長大、怒涛の勢いで経済発展を
    推進してまいりました。

    自動車業界もその一翼を担い、国のキー・インダストリーとして、
    大いに躍進を遂げました。

    日産も、業界初のデミング賞を受賞するなど、
    「技術の日産」として確固たる地位をきずいたのです。
 
    誤解を恐れずに述べさせていただくならば、最も華々しく、パワー
    に満ち溢れていた頃ではないだろうか。

    後の日産の、多方面での活躍をみるまでもなく。

    そのなかにあって、

    Y−3課の存在は知られていても、その秘匿性ゆえ内容は一般の知る
    ところに非ず。

    しかし、そこから世におくりだされた名車の数々は、市場を席巻し
    紛うことなく、その実力を知らしめたのであります。

    今日、世界に冠たる自動車王国を築けたのも、当時の先人たちの、
    血のにじむ努力の賜物であります。

    激動の同時代をふりかえって、大いに語り合おうではありませんか。

    ご連絡お待ちしております。 
             
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    〓 編集後記 〓

    こんにちは、いかがお過ごしですか。

    W杯、日本チーム残念でしたね。

    健闘!及ばずと言ったところでしょうか。
    まあ、実力の差と言ってしまえばそれまでですが、
    勝負の世界です、よく戦ったと思います。

    おつかれさま。

    でもサッカーファンにとっては、

    いよいよ、これからが本番!

    最もエキサイティングなゲームが目白押しですね。
    連日、繰り広げられる熱闘!に興奮の日々が続きそう。

    緒戦を勝ち残ってきた、つわもの達。

    彼等がピッチで見せてくれる、超一流の技と力!!

    そんなプレーが、毎日のように観戦できるんだからね。

    日本列島まだまだ熱つ〜いョ!!

    ‥‥ でしょ?

    だってあれほど、

    サッカー大好き!ファンがいるんだもんね。‥‥ だよね?


    まァ、‥‥ いいや。
     
                             ‐hiro‐

                   ‐平成18年 6月27日 22時50分‐

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         こばやし ひろふみ
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