[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
   中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                          
                       − 第21号 2006.5.5 − 
  
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  ☆皆様、お元気でしたか!!
      ご購読いつもありがとうございます。
                      
         そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
  
    ◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
     メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。

     よろしくお願いいたします。

    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

           [等幅フォントでお読みください]

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    それでは、今日もご一緒に!

    ☆ やさしい自動車工学

    前回の「車速とエンジン回転数の関係」は、いかがでしたか。

    けっこう面白い項目であったと思いますが、どうでしょう?

    「Z値」を活用することで、車速が判っている場合はエンジンの
    回転数が。

    またエンジンの回転数が判れば、車速が暗算で簡単に求めることが
    できるのを知ると

    計器を見ないで、走行中の自車の計器の指示数値を容易に判断でき、
    あそべますね。

    たとえば同乗者に、

    速度計か回転計のどちらか一方をふさいで(一時的ですよ)もらって
    計器の指示目盛りを当てることなどは、いともやさしいことですね。
   
    前回の式から一度、

    正確な「エンジン速度係数:Zの値」を計算で求めておくと、
    より一層たしかな値を導くことができ、

    ご家族やお友達に、ちょっぴり自慢できること請け合いです。
    
    もちろん計算を楽しむつもりなら、
    トップギアに限らず、かくギアでのZの値を求めておくことで、
    さらに楽しみも増すのではないでしょうか。
    
    我々の間で、クルマの性能比較の際によくつかう、
    「V1000」ブイ・センの値は、大きいほうが同じ車速にたいして、
    エンジンの回転速度が小さくてすむことになります。

    尚この「V1000」はローギアを始め、
    各ギアに対する値を用いることもあります。

    その場合は、それぞれのギアレシオでの「全減速比」を適用
    して下さい。

    ◆「V1000」は、何かと用いられる便利な値です。

          覚えておいてください。クルマ通の証です。ハイ!

    では今日のテーマです。

    ▼動力性能

    ◆「タイヤの粘着作用」
    
    駆動輪をスリップさせないで、クルマを走らせるためには、
    クルマにかかる「全走行抵抗」よりも、タイヤ(駆動輪)の路面に対する
    「粘着作用」の方が大きいことが必要なのです。

    注)全走行抵抗:これがクルマを走らせるのに
      必要な力になることは、すでに先の号でお伝えした通りです。

      粘着作用:駆動輪をスリップさせまいとする力
    
    ◆「全走行抵抗 F」 < 「粘着作用」 ということです。

    粘着力は、駆動輪にかかるクルマの重量 Wr と、
    タイヤと路面との粘着係数 μ との関係で、

    次のように表されます。

    ◆「粘着力 = μWr」

    したがって、クルマをスリップさせることなく走ら
    せるためには、つぎのような関係が必要なのですね。

    ◆「F < μWr」

    クルマの重量(車両重量、車両総重量)から重量配分
    いわゆる、クルマの前後輪の重量比より、駆動輪に  
    かかる重量を簡単に導くことができます。

    またそれを1/2にすれば、
    駆動輪の一輪あたりの重量も求められますので、
    いろいろ当てはめて計算をしてみるのも面白いとおもいます。

    そしてこの数値は、
    ドライビングテクニックに関係する、データとしても
    利用できるのですよ。

    まァ、いずれ機会をみて。

    〔μは、タイヤと路面との状況(状態)によっても、大きく変化を
    するわけですが、概ね、0.5〜0.6(平均値)位。〕

    また氷結した道路や濡れた路面などでは、
    通常の1/2〜0.1以下にも低下することもあります。

    一説では、乾燥したアスファルトで0.8位とも言われているように
    研究者によっても諸説紛々で、いまだに確定値はありません。
   
    あくまでも、参考値として活用してください。

    尚、ここで言う粘着係数は機械工学で言われている、摩擦係数とは
    もちろん違います。

    まれに誤った表現をされている方もおられますが、念の為。

    そんなわけで、

    駆動力の性能計算では、安全をとって0.15以下にとり、伝動(伝達)
    系統の強度計算では、それとは別に0.65以上にとるのが安全と
    されているのです。
  
    クルマが高速になるにつれ、

    航空機と同じような揚力(空気力学的)が発生し、この揚力の
    ために生じる抵抗を「誘導抵抗」と言い、このような空気抵抗が
    クルマの走行を妨げることも、先の号でお伝えしました。

    そしてこの揚力が、接地圧(Wr)を減少させ粘着力を少なくして
    駆動力の伝達力が悪くなるのです。

    ◆「揚力は速度の2乗に比例」して増加するので、

    高速車においては、揚力を極力減少させるよう車体の形状(設計)
    を考え、上記の駆動力の計算には、このことを考慮に入れる必要が

    あるわけです。
    
    ◆これは使える項目ですから、

    ぜひご自分のクルマの「粘着力」を知っておいてください。

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   ☆ やさしい航空工学

    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、

    航空工学について少し遊んでみたいと思います。

    どうぞ楽しんでください。

    ◇【温度】

    前回まで続いていた「大気の現象」は一応終わり、
    今回から新しい項目に入ります。
    
    皆さんご存知のように、
    熱はエネルギーのひとつの形ですよね。

    ここでおさらいです、
    物質に熱をあたえると、その分子活動が活発になり内部の
    エネルギーが大きくなり物質の温度が上がるわけですが、

    物質の温度は、
    その物質を構成している分子の分子活動の大きさに、
    比例するのですね。

    ◇したがって、温度とは物質の分子活動の大きさを示す一つの
    目盛りということができます。

    水は常温では、
    液体ですが冷やせば固体になり、熱すれば蒸発して気体となり
    ますが、

    その気体とは、
    分子が一つ一つバラバラになって、高速で空間を飛びまわっている
    状態のことをいうのです。
    
    そしてその気体の分子は、
    高速で空間を飛びまわっているので、このことを気体分子の
    「熱運動」といいます。

    ◇この熱運動のスピードは、
    「絶対温度」の平方根に比例して大きくなるのです。

    注。「絶対温度」:摂氏温度をCとしたとき、C+273°、
             詳しくは273.15°を絶対温度といい、
             °Kで表します。
    
    参考までに、

      「絶対零度」:−摂氏273.15°は、−華氏459.7°

                               に相当します。

    この温度を基点として測った華氏温度を、「華氏絶対温度」

    またはランキン Rankine 温度といい、°R で表します。

    華氏32度(32°F) は 摂氏0度(0℃)に、
    華氏212度(212°F) は 摂氏100度(100℃)に相当します。

    摂氏と華氏の関係を式で表すと、
    次のようになります。

             5                9
        C = ━ (F−32°)  F = ━ C+32°
             9                5

                                となります。

    ◇また固体とは、
    原子、分子、イオンなどが、一定の配列で結晶となっている状態の
    ことをいいます。

    固体を熱すると、
    その結晶格子の中にならんでいる原子、分子、イオン、などの
    熱運動が活発になります。
    
    ◇液体とは、
    気体分子の熱運動が小さくなり、分子が接近して、一種の引力が
    働き、お互い引きあって集まった状態のことをいいます。

    液体の温度もその分子の熱運動に比例するのです。

    物質(物体)から、

    熱を取り去ると、その物質の内部エネルギーが減少し、
    もうこれ以上熱をとりだせない状態が、内部エネルギーがゼロの
    状態です。

    ◇そして、この内部エネルギーがゼロの時の温度は

    物理的に考えられる最低の温度で、
    「絶対温度の0度」にあたり、あらゆる物質に共通なのです。

    上記の説明を参考にしてください。
                                       
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    今日の本題。

    ◎車を知る【構造編 エンジン】

    ▼[スパークプラグ]

    点火プラグ(点火栓)、ともいう、
    エンジンのシリンダー内で、圧縮された燃料と空気の混合気が

    燃焼するためには、それに点火させることが必要で、
    その働きをするのが、点火プラグなのです。

    その場所は、シリンダーヘッドに取り付けられており、
    スパークを担う電極の部分は、燃焼室に位置しています。

    そこで皆さん、
    この点火プラグには、いったいどれ位の電圧(二次電圧)が
    かかっているかご存知ですか?
   
    じつはその電圧は、
    電極のギャップ(隙間)と点火直前の燃焼室内の、

    圧縮圧力の状態によって、10000〜20000Vもの高電圧が、瞬間的に
    繰り返しかかっているのです。

    エンジンの点検、調整中などにはウッカリ自分の指先にスパーク
    をさせてしまうことも、時にはあるのですが。

    でもご心配なく、それほどの高い電圧であっても、消費電流が
    少ないために、せいぜい指先につまようじで刺したほどの穴が

    あく程度です。 ‐余談になってしまいました。‐

    またこの点火プラグには、
    ホットタイプとコールドタイプがあり、エンジンのタイプ(性能)
    によって使い分けられています。

    簡単に言えば、
    ホットタイプとは、冷却効率を抑えた冷えにくいプラグのことを
    いい、主に実用車に多く用いられています。

    一方のコールドタイプは、放熱効果を高めたプラグのことであり、
    高出力、高性能車に主として使われております。

    尚、これらの詳しい説明は、いずれ機会をみてお伝えしてまいり
    ます。ご期待ください。
                   
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    謹告。

    このメールマガジンの、読者様のなかで、
  
    1960年代当時、日産自動車追浜工場、第三実験課。(通称Y‐3課)
    に所属されていた方が、もしおられましたら、

    是非、是非、ご一報いただきたい。

    このメールマガジン紙上へ、三顧の礼をもってお迎えいたします。

    当時、日本は国をあげ、まさに重厚長大、怒涛の勢いで経済発展を
    推進してまいりました。

    自動車業界もその一翼を担い、国のキー・インダストリーとして、
    大いに躍進を遂げました。

    日産も、業界初のデミング賞を受賞するなど、
    「技術の日産」として確固たる地位をきずいたのです。
 
    誤解を恐れずに述べさせていただくならば、最も華々しく、パワー
    に満ち溢れていた頃ではないだろうか。

    後の日産の多方面での活躍をみるまでもなく。

    そのなかにあって、
    Y−3課の存在は知られていても、その秘匿性ゆえ内容は一般の知る
    ところに非ず。

    しかし、そこから世におくりだされた名車の数々は市場を席巻し、
    紛うことなく、その実力を知らしめたのであります。

    今日、世界に冠たる自動車王国を築けたのも、当時の先人たちの、
    血のにじむ努力の賜物であります。

    激動の同時代をふりかえって、大いに語り合おうではありませんか。

    ご連絡お待ちしております。
               
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    ◆ 編集後記 ◆

    じつは、今日。

    花見にいってまいりました。

    当地に越してくる八年前まで住んでいた所です。

    とうぜん知ってはいたのですが、
    しかしそこに住んでいた頃は、一度でさえ行ったこともなく、
    皮肉にも、こちらに来てから友人に進められてのことです。

    そこは、山あいの奥深くに造られた、ダムの周囲4kmほどの、
    桜並木の遊歩道です。

    平地はすっかり葉桜なのに、
    さすがに山の気温は肌寒く、今が見頃の満開でした。

    あきらめていた花見もでき、一日のんびり過ごしてきました。

    帰りがけに、
    当時、住んでいた家により、買ったまま読まずに本棚に保管されている、
    数々の蔵書、その中から十数冊ゴールデンウィークの読書用にピックアップ。

    またこれがすごいよ!

    これも筆者の、数十年来の趣味の一つ、
    内外のプラモデルキット、メタルキット、レジン、etc ‥‥。

    航空機(なかでも大戦機)だけでも千数百機、
    車はクラシック、ヴィンテージ、数百台

    他、モーターサイクル、艦船、帆船、‥‥ 等々。

    数え上げたらきりがないのですが、
    それが部屋に、押し入れに、廊下に、おそらく自分でも正確に、

    把握できていないと思う。

    そんなキットの山に囲まれながら、あれこれひっぱりだしては、
    完成した姿に思いをめぐらし、至福のひとときを過ごし、

    帰路についたのですが、

    いつもきまって、半分満足して、半分欲求不満のまま、
    帰ってくるのです。。複雑。   
    
    ここでなら、何時でも製作可能なのに、
    まさかその目的だけで、休日に40キロちかい道のりを、それも往復。

                                    … ねェ。

    まして、そのような時間の捻出は、物理的に今は無理です。

    みなさん、休日はどのようにお過ごしですか?

                            よろしければ、お便りを。

                                        ‐hiro‐

                    ‐平成18年 端午の節句 23時30分‐

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