[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
    中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                          
                       − 第56号 2007.8.27 −
   
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    ☆皆様、お元気でしたか!!
          ご購読いつもありがとうございます。
                      
        そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
            
    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

               [MSゴシックでお読みください]

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    それでは、今日もご一緒に。    
    初心者でもプロの知識が!
  
    ★ やさしい自動車工学【出力編】 
    
    ◆【エンジンの出力】

    創刊以来、
    自動車エンジンの、性能に関する基礎的な知識(基本用語)につい
    て、お伝えしてまいりましたので十分ご理解された事と思います。

    ある意味、自称プロの人たち以上にですよ。

    尤も、真のプロフェッショナルは、
    自ら自身のことをプロとは申しませんが。。

    また機会をみて、
    重要な項目に関しては、繰り返し復習をしていきますね。

    それでは、
    前回に引き続き、エンジンの性能「出力」に関わる要因について、
    話を進めていきます。


    ◆[出力を大きくする方法]

    前回は、カロリーの多い(濃い混合気)食料を食べることによって
    活力(出力)が得られることを述べてみましたが、

    もちろん、これは「適正混合比」の範囲内であることは、言うまで
    もありませんね。

    やみくもに濃すぎる混合比は、逆に「出力の低下」をきたすのです。

    人間も同じですね、
    高いカロリーの取りすぎは消化不良の原因になりますから。


    このことは、
    今後述べていく全ての項目に共通する基本的なことなので、留意し
    てください。

    極論ではありませんよ。


    ▼それでは、出力を大きくする二つ目の要因について。

    2)多く食べる。

    力をだすためには、食料をたくさん食べることが大事なのですが、
    これだけでは、だめなんですね。


    前の号で、
    冒頭にも述べましたが、人間も内燃機関であると言うことは、食料
    を取り入て、それを燃焼させてやらなければ、エネルギーに変換で
    きませんね。

    たくさん食べるだけでは、不十分なのです。

    それでは、
    なにが必要なのかと言うと、もうお解りですね。


    そうです、
    たくさんの空気(酸素)が必要になってきます。

    たとえば、あなたが激しいスポーツをしているとき、呼吸が荒くな
    りますよね。

    これは、その運動に見合った空気(酸素)を取り入れる必要がある
    からなので。


    もっと言えば、
    激しいスポーツの最中に、たくさん食べることなどできませんが。

    酸欠の状態での運動は、不可能ですね。


    注)キャブレターでは、吸入する空気の量によって、適正な混合気
      になるように燃料の供給が自動的におこなわれています。


    ▼即ち、事前に「カロリーの多い」食べ物を「たくさん」食べてお
    けば、力を必要とするとき、何時でも使うことができますが、

    空気の少ない酸欠状態では、呼吸困難になり、せっかく補給した食
    べ物も燃焼不足(不完全燃焼)になり力を発揮することはできない。


    エンジンの場合も同じですが、上述のように燃料はキャブレターで
    自動的に供給されるので、とりあえず考える必要はありません。


    ▼エンジンに大きな出力を発生させるには、どれだけ多くの空気を
    吸入できるかを考えればよいのです。

    いいかえれば、

    他の条件が一定であれば、より「多くの空気を吸入」すればするほ
    どエンジンの出力は大きくなります。


    『エンジンの出力は、吸入する空気の量、すなわち吸入する酸素の
    重量(質量)に比例して増減しているのです。』


    ※このことから、
    エンジンが、たくさんの空気を吸い込めるようにすることを、「吸
    入効率」をよくすると言いますね。


    ▼その簡単な方法として、以下のことを考えてみてください。

    ・吸入抵抗を減らす。

    ・適正なバルブタイミングを選ぶ。


    これだけでも、かなり効果が違いますよ。


    これらの項目については、いずれ取り上げてみたいと思います。

           
                         ‐次回へ続きます‐
                                                       ──────────────────────────────────────────

    大空に夢を!
  
    ☆ やさしい航空工学【基礎編】
  
    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。


    今日のテーマです。
    
    ◇航空力学【空力特性】

    ここで述べられている事柄は、
    なにも航空工学に限られていることではありません。

    お伝えする項目には、
    とうぜん自動車工学にも応用できる内容を数多く含んでおります。

    そのような視点から、

    とかく専門的になりがちな文章は、極力さけてご説明をくわえてい
    くつもりです。


    ◇[面積法則]
   
    前の号でお伝えしたように、

    飛行機の各取り付け部分(特に主翼の胴体桔合部分)は、フィレッ
    トと呼ばれる気流の乱れを防ぐ構造物で覆って、抗力を極力減らし
    ていましたね。


    しかしこのフィレットは、

    低速での飛行には、有効に働くのですが、逆に高速での飛行、特に
    音速飛行においては、むしろ抗力は増加するのです。


    ▽こんなエピソードがあります。
    アメリカの航空機メーカーで有名なコンベア社の自信作、1953年の
    当時、最新鋭!超音速戦闘機YF-102は、テスト飛行でも最速マッハ
    0.8の亜音速しかだせず、


    音速を超えられずに苦慮していました。


    その後の研究で、
    米国人リチャード・ホイットの理論、「面積法則」を取り入れるこ
    とで簡単に音速突破!を果たしたことは有名。


    ※要約すると、
    航空機の全体の断面積変化を流線形にすることで、抗力を減らす効
    果を得ている。


    ▽断面積に相当する等しい分だけ、胴体を細く絞る(流線形)こと
    によって空気抵抗を減らしています。


    この理論を取り入れた飛行機は、私たちも外観から容易に知ること
    ができますね。


    超音速機の胴体の「くびれ」がそうです。


    このような外見上のスタイルから、
    モンロー・スタイル(中高年の方々には懐かしい女優の一人)と呼
    ばれ、超音速機の代名詞にもなっているのです。

    
    ▽もっと身近では、

    高速性能を誇る、車のデザインにそれを見ることが出来ます。
    ご存知のようにボディ両サイドが細く絞られた(くびれている)部
    分がこれに当たりますね。


    このことからも、
    「面積法則」の理論の活用は、航空機のみならず、自動車の空力特
    性にも、大きく貢献していることがお解り頂けたとおもいます。

    
                         ‐次回へ続きます‐
                                          
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    ちょっと一息!

    《喫茶室》

    ◇[不朽のF1ドライバー] Juan Manuel Fangio
              
    ‐ファン・マヌエル・ファンジオ‐

    ‐最終章‐

    1955年、メルセデスのチームに意気の良いイギリス人ドライバーが
    入ってきた‥‥。


    いや、話を少し前に戻して。。

    メルセデスがグランプリに参戦する一年前、1953年に遡る。

    この年、メルセデスの名監督、アルフレッド・ノイヴァウアの元に
    一通の手紙が届く。。


   
    「あなたの会社がレースに挑戦するらしいが、さし当たって強力な
    ドライバーが必要だろう?イギリスに素晴らしいドライバーが一人
    いる。スターリング・モス…それは私だ。」

    
    若き日のスターリング・モス、その人である。


    しかし、ノイヴァウアは、モスにもっと経験を積むことを告げる。

    この忠告を素直に受け入れ、モスのレースへのチャレンジが続く。


    そして翌‘54年には、
    グランプリデビューのメルセデスを筆頭に、名門ワークス・チーム
    を相手に健闘する一台のプライベートカー、

    ブリティッシュ・レーシング・グリーンのマセラティ(市販レーシ
    ングカー)が、レース観戦の人々の目を奪う。


    特に、メルセデスの監督、ノイヴァウアに強烈にアピール!したこ
    とは言うまでもない。


    かくして次の‘55年、スターリング・モスは念願のメルセデス入り
    を果たす。

      ‐モスについては、後日触れることにして話を進めます‐



    この年も含めて、ファンジオは1954年から1957年の四年間に亘って
    前人未踏のワールド・チャンピオンを達成する。

        
    ファンジオが超一流である証は、

    どのような状況下にあっても、つねに冷静沈着、彼我の実力の比較、
    レース及びコースの特徴、性格、それにマシーンの状態等々、

    全ての条件を分析、理解、把握してレースをコントロールする。


    もって、ただの見せかけの蛮勇とは違い、
    ここ一発の勝負においてさえ、断然!他を圧倒しその実力は群を抜
    いていた。


    それを物語るレースがある。


    1957年ドイツGPでのこと。。
    サーキットは最も難しいと言われる、あのニュルブルクリンクに於
    いて…。

    ファンジオの駆るマセラティは、フェラーリをはじめ他のライバル
    達のマシーンに比べて、

    パワーも小さく、トータルな性能をもってしても、その条件は明ら
    かに不利であった。


    ファンジオは秘策を練る。

    作戦は、
    燃料のガソリンをタンクに半分だけ入れて、加速性能、最高速度、
    および走行バランスを稼ぐことで、

    途中の給油ストップを行っても、ラップタイムをクリアできること
    であったのだが‥。


    この情報は相手チームに漏れ、
    ファンジオは初めから苦戦を強いられることになる。


    しかし、決して諦めない。

    しかも、
    給油のためにピットインしたときには、すでにトップとの差は30秒
    以上も開いているというのに。。


    誰もが、ファンジオは勝利から見放されたと感じていた。

    
    だがここからが、
    ファンジオの真骨頂!周回を重ねる度に、ラップ・レコードを塗り
    替えつゝ‥‥、


    向かえた最終ラップ!

    ついにファンジオはトップを行くフェラーリを捉え、見事!これを
    抜き去った。


    あえて誤解を恐れずに言わせて頂くならば、

    この感動のドラマは、グランプリ史上!未だ類を見ない。


    ドライバーとしての個人的な技量が最も問われた、

    言いかえるならば、真のプロフェッショナルを、
    もっとも要求された時代と言えるのではないだろうか。


    参考までに、
    この時、メルセデス・ベンツは1955年に起きた、あの悲劇のルマン
    24時間をきっかけに、

    その年、
    タルガ・フロリオの勝利を最後に、長くレース界から姿を消す。


        ‐当マガジン、過去の号をご覧ください‐


    このため、
    ファンジオは、すでにメルセデスからフェラーリそしてマセラティ
    へと移っていた。


    ◇ファン・マヌエル・ファンジオ

    優勝回数22回、ポール・ポジション29回、最速ラップ・タイム23回
    その内、ワールド・チャンピオン5回(51年、54〜57年)の記録は、

    その後、
    ミハエル・シューマッハに破られるまで、実に47年間も維持する。


    ファンジオの参戦した

    数々のレース記録を辿るとき、いつもきまって少年の頃の淡い憧憬
    にも似た想い出が‥‥。

    懐かしいエキゾースト・ノートと共に甦ってくるのです。。


                              ‐hiro‐
  
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     〖初心者のための車講座〗
                  
     ◎ 車を知る【タイヤ編】 
  
    ◆【タイヤの基礎知識】

    前の号でも触れたように、
    車の誕生以来、基本的なスタイルは変わっておりませんね。


    しかし、車の運動エネルギーを、唯一コントロールできる構成部品
    がタイヤなのです。


    車の全重量を支えながら「走る、曲がる、止まる」の過酷な働きを
    強いられているのですから。


    ※いかに高性能車といえど、
    そこに装着されているタイヤの能力(機能)以上の性能は発揮でき
    ないのです。


    ◆[タイヤの種類]
    一口にタイヤといっても、
    使用する目的、環境によってその種類も多種多様です。


    ここでは、
    一般的に使われている実用の範囲においてのみ述べていきます。

        
    ▼「ランフラット・タイヤ」Runflat tire
    
    通常のタイヤは、
    走行時にパンクなどのアクシデントが発生した場合、速やかに安全
    に停車をして、スペアタイヤとの交換を余儀なくされますが。

    パンク時でも、
    そのまま走行可能なタイヤが「ランフラット・タイヤ」なのです。


    ▼特徴

    ・走行中のパンクでも、急激なエア抜けがない為、

     走行姿勢(挙動)を乱すことがなく、安全走行を維持できる。


    ・パンク状態での走行は、時速80km以下なら走行距離80kmまで可
     能(ISO基準)です。

     これも各自動車メーカーの設計内容(クルマの種類、使用目的等)
     によって多少変化するので、

     個々の数値においては、自動車メーカーの定める基準値に従う。


    ・パンク状態でも走行できるので、スペアタイヤが不要。

     普段でも、ほとんど使われることの無かったスペアタイヤですが、
     搭載する必要がなくなった為、

     重いタイヤと共に収納スペースも不要、車体バランスの向上も図か
     れる。


    以上、簡単に特徴を述べてみましたが、

    ▼逆にパンクの把握が難しい面もあるので、

    ランフラット・タイヤを装着する場合は、「タイヤ空気圧警報装置」
    を、必ずクルマに装備することが必要です。

    
    まだまだ課題も多いタイヤではありますが、より軽量化、低価格化、
    修理メンテナンス等々を改善されれば、

    まさに次世代のタイヤとして、広く普及されるのではないでしょうか。
           
    今日はここまで。。

                        −次号に続きます−                      
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    謹告。

    このメールマガジンの、読者様のなかで、
  
    1960年代当時、日産自動車追浜工場、第三実験課。(通称Y‐3課)
    に所属されていた方が、もしおられましたら、

    是非、是非、ご一報いただきたい。

    このメールマガジン紙上へ、三顧の礼をもってお迎えいたします。

    当時、日本は国をあげ、まさに重厚長大、怒涛の勢いで経済発展を
    推進してまいりました。

    自動車業界もその一翼を担い、国のキー・インダストリーとして、
    大いに躍進を遂げました。

    日産も、業界初のデミング賞を受賞するなど、
    「技術の日産」として確固たる地位をきずいたのです。
 
    誤解を恐れずに述べさせていただくならば、最も華々しく、パワー
    に満ち溢れていた頃ではないだろうか。

    後の日産の、多方面での活躍をみるまでもなく。

    そのなかにあって、

    Y−3課の存在は知られていても、その秘匿性ゆえ内容は一般の知る
    ところに非ず。

    しかし、そこから世におくりだされた名車の数々は、市場を席巻し
    紛うことなく、その実力を知らしめたのであります。

    今日、世界に冠たる自動車王国を築けたのも、当時の先人たちの、
    血のにじむ努力の賜物であります。

    激動の同時代をふりかえって、大いに語り合おうではありませんか。


    ご連絡お待ちしております。 


             studio_rei@yahoo.co.jp

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     〓 編集後記 〓

    連日の猛暑もここにきて、

    ようやく朝晩は、凌ぎやすくなってまいりました。


    皆様の地方はいかがですか?

    夏の疲れはこれからが勝負です。負けずに頑張ってくださいね。  
             
                            ‐hiro‐

                    ‐平成19年 8月27日 23時15分‐
              
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