[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
    中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』
                          
               − 第52号(総集編‐最終版)2007.2.27 −
   
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    ☆皆様、お元気でしたか!!
          ご購読いつもありがとうございます。
                      
        そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
 
    ◇今年は暖かいせいか、
        すでに花粉の被害が出始めております。ご注意ください。
           
    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

                [等幅フォントでお読みください]

    ──────────────────────────────────────────

    ◇この号は、

    総集編(最終版)ということで、一年を振りかえって主なトピック
    スを‐其の弐‐に続けてまとめてみました。

    創刊から順を追って、
    最も基礎的な項目にしぼり、初心者の方に必ず覚えておいていただ
    きたい内容で掲載しましたので。

    復習の意味も込めて、ご参考になれば嬉しいです。

    それでは、今日もご一緒に。
    
    初心者でもプロの知識が!
  
   ★ やさしい自動車工学【総集編】最終版 
  
    カタログデータ【主要諸元を読む】

    車の購入時には勿論のこと、
    所有されているご自身の車を理解する上で、必要な情報のすべてが
    この「諸元表」から読み取ることができるのです。

    エンジンの性格、走りの特性は元より、それに使い方のヒントまで
    このデータから知ることができます。

    過去のマガジンから、
    極々必要な項目のみ抽出して記載いたしました、ぜひもう一度読み
    返していただくことで、知識の再整理を図ってください。
    

    ◆[最大トルク]maximum torque

    これは、
    エンジンが発生する回転力(回そうとする力)のことでしたね。

    よく使われる例として、
    ボルトをスパナ(ボルト、ナット類を締めるときに使う工具の一種)
    を用いて締め付ける場合、スパナに加える力のことを言い。

    また解りやすい例として、
    自転車のペダルを漕いでいるのを想像してみてください。

    このときの足に加える力のことを「トルク」と言うのですね。

    そのときに加えられた力のなかで、
    最も大きな「回転力」のことを「最大トルク」と言います。


    ▼これを式に表すと
         トルク = 力 × 距離(腕の長さ)
                        になります。

    ▼記号で示すと
           T = F × rKg.m
                        このように表します。

    ※この式で言うところの

    「F:力」がスパナに加える力であり、自転車のペダルに加える足
    の力を言います。
    
    また「r:距離.腕の長さ」は
    スパナの長さになり、自転車のクランクの長さに当たります。

    Kgが力の単位で、mは距離(腕の長さ)の単位になります。
    
    ▼このことを
    エンジンに当てはめると、燃焼行程で発生した燃焼圧力がピストン
    を強く下へ押し下げますね。

    『これによって、クランクシャフトを回転させるのですが、
    このときのクランクシャフトを「回転させようとする力」が
    「トルク」になります。』


    ▼そして上述のように、
    最も大きな回転力を「最大トルク」maximum torque と言う。

    ※この項で
    注意をしていただきたいことは、トルクと仕事の関係です。

    ご存知のように、
    どちらも「単位」が同じなので混同し易いのですが、まったく違う
    ものなのです。

    ▼簡単におさらいをしてみましょう。

    「トルク」は、上記の式からも解かるように、
    回転させようとするとき、腕の長さが長ければ加える力は小さく
    てもよく。

    短かければ、大きな力が必要になりますよね。

    これがトルクの概念でしたね。

    さてそれでは、
    「仕事」の場合はどうでしょう。

    たとえば、上記のトルクの説明を使って考えてみましょう。
    
    自転車はペダルを踏む(回転させる)ことで前に進みます。

    このペダルを踏む力の大小
    そのものが「トルク」であって、その加えられた力によってペダル
    が、ある長さ(円弧)を移動(回転)して、初めて「仕事」をした
    ことになる。

    式は次のようになります
          仕事 = F × LKg.m

    円弧の長さ L:2πrn

    これからも分かるように、
    トルクは回転させようとする「力の大きさ」のことを言い。

    仕事はこのトルクを得て、ある長さ(円弧)を移動したとするとき
    つまり「n回転」をして初めて仕事をしたことになるのです。

    ▼以上のことから
    参考までに仕事とトルクの関係を式で表すと

          仕事 = 力 × 長さ(円弧の長さ)

           W = 2πnT
                      となります。
                            
    このように、
    うっかり誤解しそうな項目も、内容を理解することであらためて違
    いに気付くこともあるのです。
                                                       
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    大空に夢を!
  
   ☆ やさしい航空工学【総集編】最終版
  
    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。

    今日のテーマです。
    
    ◇航空力学【流体力学・基礎編】

    ここで述べられている事柄は、
    なにも航空工学に限って、述べられていることではありません。

    取り上げる項目には、
    とうぜん自動車工学にも応用できる内容を数多く含んでおります。

    そのような視点から、
    とかく専門的になりがちな文章は極力さけて、ご説明をくわえて
    いくつもりです。

    「やさしい自動車工学」と同様に、
    マガジン過去の号から、おもな項目を選んでご紹介していきます。

    今回も航空工学と密接な関係にある、
    「連続の法則」と「ベルヌーイの定理」について復習します。


    ◇[連続の法則]continuity(continuance) law
      
    ふつう一般的には、
    航空機は空気(大気)中を飛行するわけで、そのことから、
    様々な流体力学の法則が用いられてくるのです。

    たとえば、あなたがクルマを洗っているとしよう。

    ▽水道管を流れる水の量が一定ならば、
    蛇口から流れでる水の量と、その蛇口につないだ洗車ホースの
    口から、吐き出される水の量は、常に等しいはずですね。


    ※この原理を「連続の法則」というわけです。
    このことから


    ▽ある管の中を一定の量で、連続して流れる流体は、
    管の径の大きいところでは、流れは遅く、
    管の径の小さいところでは、流れは速くなることがわかりますね。


    先ほどの洗車を思いだしてください。
    ホースの口を細くしぼってやると、流れでる水の勢いが強くなりま
    すよね。


    また川の流れからも、
    容易に理解できますね。川幅の狭いところでは、水の流れは速く、
    広いところでは、ゆったりと流れていますね。

    もちろん川底の深さも影響しますが。


    ▽上に述べた例は、
    一般的にこれらの原理を説明するのによく使われているので、目に
    することも多いと思います。


    理解するヒントになりますので、憶えておいて下さい。

   
    ※この原理は、先の号でもとりあげた、
    気化器のベンチュリーの説明によっても、お解りいただけたので
    はないでしょうか。


    ◇[ベルヌーイの定理]bernoulli's theory      
    ◇[動圧]

    いま貴方が、
    仮に高速で走行しているクルマの窓から、顔や手を出すと
    (実際にはヤラナイデください)強い風圧をうけますね。
    
    また速く流れている、
    川で流れる水の方向と、直角の方向に手を広げたとすると、
    川下へ流されそうな強い力を受けますよね。

    このような圧力を「動圧」といい、
 
    ▽次の式で表します。
     
     動圧 = 1/2 ×(流体の密度)×(流れの速さ)2乗

                           となります。

    ※このことから、
    「動圧は流れの速さの2乗に比例して大きくなる」ことが、
    理解できたとおもいます。
    
     ◇[静圧]    
    空気が動いていない静かなときでも、
    大気圧というもので、私たちは押し付けられていますね。
    
    しかし、動圧のように痛く感じたり、

    川下に流されるような、圧力を感じることもありませんね。
    これは、上下、前後、左右、すべての方向から同じ大きさの圧力
    がかかっているからで、

    この圧力を「静圧」といいます。

    ここで前回の「連続の法則」のなかで、
    「管の径の大きいところでは、流れは遅くなる」と述べましたが、
    
    ▽これを式で表すと、
           静圧 + 動圧 = 一定                  
                       となります。

    「これは概論を式に置き換えて、簡単に説明したものであって、
    本来の式はもっと複雑ですが、ここでは省きます。」

    ▽この式から流れの遅いところでは、

    側面の圧力が高くなり、反対に流れの速いところでは、低く
    なるのが理解できますね。
    
    ▽この式は、流体力学において最も基礎的なもので、
    1738年スイスの物理学者ベルヌーイによって、初めて発見された
    もので、

    これを『ベルヌーイの定理』とよんでいます。

    ※この原理を利用して、
    航空機の飛行速度「大気速度」を測るもので、速度計の受感部、
    「ピトー管」と呼ばれているものがあります。
                        
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    ちょっと一息!

    《喫茶室》

    ◇[エース物語‐アフリカの星]続編
              
    ‐ハンス・ヨアヒム・マルセイユ‐

    初陣でいきなり初撃墜!
    以来、126機撃墜。大尉に昇格、ダイアモンド剣付き柏葉騎士鉄
    十字章の通知が届く‥‥1942年9月2日まで。

    この間わずか2年の出来事である。

    尚、このあとも戦闘は続いていく。。

    その直後9月15日には。
    またもや、11分間で7機撃墜をやってのける。

    しかし、ややもすると撃墜数だけが目立つが、
    マルセイユの場合、特筆すべきはそのアクロバティックな操縦
    技術のみならず。

    たぐいまれな射撃センスを上げなければならない。

    証拠に、6機撃墜時でさえ、発射機銃弾は携行弾数の半分にも
    満たなかったと言う。

    1機撃墜に費やす弾数の、平均15発はうなずける。

    そんなマルセイユにも、
    やがて運命の日がくる。。エースの宿命なのかもしれない。
    
    その日、1942年9月30日は、
    めずらしくマルセイユにとっても、獲物のない一日になろうとして
    いた。

    地上のロンメルは、
    相変わらずエルアラメインで一進一退をくりかえしている。

    上空では、マルセイユが乗り換えたばかりの新型機、Bf109黄色14
    のエンジン不調から、基地へ引き返しつつあった。。

    エンジンの状態は、
    なお悪化を増すばかり‥操縦席から充満した煙に咳き込む、マルセ
    イユの悲痛なアナウンスが‥‥。

    直後、駆け寄ってきた僚機の目前で、
    愛機メッサ―シュミットを横転させ、パラシュウトの脱出を図るも
    つかのま、自機の尾翼に激突!

    そのまま北アフリカの熱砂にすいこまれて‥‥。

    生涯撃墜数158機(内、151機は北アフリカでの戦闘)出撃数382回。
    撃墜率4割1分のハイスコア!

    愛称ヨッヘンで親しまれ、
    のち撃墜王「アフリカの星」の異名を。
    ときに、派手なスタンドプレイも、戦地の女性に大人気。

    数々のエピソードを残して、
          享年22、事実!ミステリアスな死とともに。。
                                           ‐hiro‐                         
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    初心者のための車講座。
                
   ◎ 車を知る【総集編】最終版
  
   ◆[エンジンの全開出力性能]

    前の号で述べたように、

    エンジン性能曲線とエンジン性能特性との違い、また開発の初期の
    段階で、その性格がつくられていくのがご理解できたとおもいます。


    ▼エンジンの特性は、
    一般的に「全性能曲線」を大きくイメージしながら、考えを進めて
    いきます。


    ▽エンジンの性格は、このようにして作られていくのです。

    はじめに「全開出力曲線」を描いて、

    これをベースにこれから開発される車の使用条件、たとえば乗車定
    員や主に利用されるであろう道路の環境などから、走行抵抗曲線を
    算出して記入していきます。


    このことから、
    エンジンの使用限界の範囲、またよく使われる常用範囲がきまって
    くるのです。


    ここまでくると、
    さらに性能それぞれの部分において、エンジンの使い方が具体的に
    見えてきます。

    そしてこの曲線をもとに、開発するエンジンの性格を具体化してい
    くのです。


    ▼「機械効率」や「熱効率」の

    もっとも良い部分を、エンジンの「全性能曲線」のどこに置くかに
    よって実用車向きの中・低速用エンジンになるのか。

    またスポーツカーなどに使われる、超・高速タイプの性格をもった
    エンジンになるかが決まるのです。

    ここでエンジン排気量、
    および主要諸元がきまっているとき、高速回転で出力を得ようとす
    れば、一般に低速のトルクは小さくなる。


    このように
    ▼超・高速型のエンジンにすると、実用範囲内でのトルクは小さく、
    燃料消費率もわるく、

    あまり実用的なエンジンとはいえない反面、スポーツカーのような
    ハイスピード・ドライビングを楽しむのに向いた性格と言えます。

    ▼反対に中・低速にトルクをもってくると、最高出力は多少小さく
    なるものの、運転しやすく経済的な実用車に適したエンジンにする
    ことができます。

    このことから、
    新車の開発において、とくに実用的なエンジンの開発では、あまり
    最高出力にのみ、こだわるべきではないのです。

    
    ※最後に
    「全開出力性能曲線」の読み方で留意する点を述べてみます。

    1)馬力(出力)曲線

    見るところは、最高出力の数値とそれを発揮する時のエンジン速度
    (回転数)をチェック!

    とくにエンジン回転数を見ることで、超・高速型エンジンか、実用
    に向いたエンジンなのか、性格を判断するのに重要です。

    2)トルク曲線

    ここでは、最大トルクの数値とそれを示すエンジン回転数(速度)。

    それにトルク曲線の傾向、たとえばトルクカーブが描く形状を見る
    ことで、そのエンジンの性格が判るのです。

    つまり最大トルクを発揮する、
    エンジン回転数の範囲が極端に狭い、尖った急勾配の曲線なのか、

    逆に最大トルク発生時の、エンジン速度域が広いいわゆるフラット
    なカーブを描いているのか、

    これらのことから、
    高速走行を楽しむスポーツカーに適したエンジン、前者のピーキー
    なトルク曲線の傾向と。
    
    また低速から中速にかけて、
    広い回転数域で大きなトルクを発生し、使い易い実用車に向いた
    エンジンなのか簡単に知ることができるのです。

    ※車両重量、排気量、
    またカタログデータに公表されたトルク曲線から、発売される新車
    の性格、性能、はたまたその時の市場動向から販売予想、評判にい
    たるまで、ほぼ適確に判るほどトルク曲線は重要な項目なのです。

    頑張って、解読に挑戦してみてください。


    ◆このように、
    一見シンプルな「曲線」にしか見えないトルクカーブから、じつは
    もっと凄い情報!を汲みとることができるのですが。。。

    これが読めたら貴方も超一流!のプロですよ。


    いずれ機会があれば‥‥‥。


    3)燃料消費率曲線

    全開出力性能での燃費率は、通常の燃費とはちがって経済燃費率に
    セッテングされているわけでもないので、

    エンジンの性格を判断する上では、あまり重要ではありません。

    ただしエンジンの診断に使う場合は別ですが。


    ここでは、最小燃費率とその時のエンジン回転数との関係、それに
    その前後の回転域での、燃料消費率の増加の仕方をみる程度に。


    この他にもまだ幾つかあるのですが一般的に見る機会も少ないので
    省きます。

    
    お疲れ様でした。
             
    ──────────────────────────────────────────
        
    謹告。

    このメールマガジンの、読者様のなかで、
  
    1960年代当時、日産自動車追浜工場、第三実験課。(通称Y‐3課)
    に所属されていた方が、もしおられましたら、

    是非、是非、ご一報いただきたい。

    このメールマガジン紙上へ、三顧の礼をもってお迎えいたします。

    当時、日本は国をあげ、まさに重厚長大、怒涛の勢いで経済発展を
    推進してまいりました。

    自動車業界もその一翼を担い、国のキー・インダストリーとして、
    大いに躍進を遂げました。

    日産も、業界初のデミング賞を受賞するなど、
    「技術の日産」として確固たる地位をきずいたのです。
 
    誤解を恐れずに述べさせていただくならば、最も華々しく、パワー
    に満ち溢れていた頃ではないだろうか。

    後の日産の、多方面での活躍をみるまでもなく。

    そのなかにあって、
    Y−3課の存在は知られていても、その秘匿性ゆえ内容は一般の知る
    ところに非ず。

    しかし、そこから世におくりだされた名車の数々は、市場を席巻し
    紛うことなく、その実力を知らしめたのであります。

    今日、世界に冠たる自動車王国を築けたのも、当時の先人たちの、
    血のにじむ努力の賜物であります。

    激動の同時代をふりかえって、大いに語り合おうではありませんか。


    ご連絡お待ちしております。 
             
    ──────────────────────────────────────────

     〓 編集後記 〓
 
    ここ最近、にわかに身の回りが忙しくなってまいりました。
    春がもうそこまで来ているのですね。

    梅のつぼみも、心なしふっくらと色ずきはじめております。

    雪解けとともに、
    春を告げる山菜を味わいながら、夢が一段とおおきく膨らむのも、
    いつもきまってこの頃なのです。

    今年は、その雪さえも。。。
            
                          ‐hiro‐

                 ‐平成19年 2月27日 23時30分‐
              
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