[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
   中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』
                          
                      − 第46号 2006.11.01 − 
  
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    ☆皆様、お元気でしたか!!
          ご購読いつもありがとうございます。
                      
        そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
 
    ◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
      メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。

     よろしくお願いいたします。
           
    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

              [等幅フォントでお読みください]

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    それでは、今日もご一緒に!
  
     ★ やさしい自動車工学【エンジン編】
  
    前回の「ノッキングによる障害」は、如何でしたか?

    ◆ノッキングが発生すると、
    「燃焼圧力」はピストンの「上死点直前」で最高になり、
    またその圧力は瞬間的(衝撃的)に高圧になるため、

    エンジンの出力(回転力)としては、それほど利用できず。

    むしろ
    ◆コンロッドのベアリングや、メインベアリングなどに強い
     「衝撃荷重」をかけることの方が大きい。

    ※お解りですね。

    混合気は、ピストンが「圧縮行程」の終りに近ずく「上死点直前」に、
    点火プラグで点火され燃焼が始まる、「燃焼圧力」が「上死点直後」で
    一気に高くなり、

    ▼その高温、高圧の燃焼ガス(膨張ガス)がピストンを押し下げて、
    クランクシャフトを回転させトルクを発生する。

    これが正常な燃焼サイクルでしたね、

    ◆ところが、ノッキングの発生時は、
    前にも述べたように、未燃焼ガスの燃焼速度が余りにも速すぎるために
    ピストンが上死点を過ぎないうちに、最高圧力に達してしまうため、

    ピストンの上昇を頭打ちしてしまい、強い「衝撃荷重」を加えるの
    です。
    
    ◆それに、ノッキングによって発生した
    高温や高圧の「圧力波」は、バルブの焼損、ピストンリングのスティッ
    クstick いわゆる粘着などの悪影響をおよぼします。

    これも前の号で説明した通り、

    高周波の「圧力波」は、
    熱の伝導が極端に早いために、異常に高い温度のまま、バルブや
    ピストンリングに熱が伝わってしまうために起きる現象です。
     
    それでは、今日のテーマ。

    ◆【ノッキング】knocking

    3〕[ノッキングの防止]
    ノッキング対策として、主なな方法を次に述べていきます。

    ・オクタン価の高いガソリンを使用する。
    ・エンドガスの温度および圧力を下げる。
    ・火焔伝播を大きくして、焔の進む距離(進行距離:flame travel) を
     短くする。
    ・燃焼ガスの乱流(過流)を増やす。

    などが一般的な方法と言えるでしょう。

    ◆それでは、
    具体的にどのようにすればよいのか、話を進めていきますね。

    1.点火時期を調整する。(遅くする)
    2.冷却水の温度を下げる。
    3.吸気温度を下げる。
    4.濃い目の混合比にする(逆に薄くしても効果はありますが、燃料の
     冷却を考えた場合は濃くする方がよいでしょう。)
    5.圧縮比を下げる。
    6.エンジンの回転数を上げる。
    7.エンジンにかかる負荷を減らす。
    8.燃焼室内にできるホットスポットを無くする。
    9.燃焼室の機械的オクタン価を高くする。

     注。【機械的オクタン価】

     いわゆる「燃焼室のオクタン価」であって、相対的により低いオク
     タン価の燃料が使えれば、

     それだけ燃焼室の機械的オクタン価は高いと言えます。

     つまり、
     「オクタン価の低いガソリン」を使用できるほど、燃焼室の条件は
     機械的に「高いオクタン価」の要素を備えていると言えるのです。
 
     そして燃焼室は、この機械的オクタン価を高くするように設計を
     しているのです。

    10.点火プラグを2個つける。(実用上、市販車は無理ですが)
 
     など以上が主な方法ですね。
               
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    ☆ やさしい航空工学【航空力学編】
    
    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。

    今回も高速機の翼型です。続けていきますよ。

    今日のテーマです。
    
    ◇【翼型理論の基礎・高速機の翼型】続編

    ・ピーキー翼

    前回の層流翼と反対に、
    「前縁半径を大きく」して、前縁近くで気流の速度を急上昇させ、
    なお高マッハでの飛行においても、後縁への気流の流れを出来るだけ
    緩やかにした翼を、ピーキー翼と呼んでいます。

    ・スーパークリティカル翼

    これもピーキー翼とおなじように、前縁半径を大きくして、後縁近くの
    翼上面でほとんど平らに近い形をした翼型です。


    以上で高速機の翼型を終わります。


    そこで、今までの「翼型理論」を簡単に振り返ってみましょう。

    ライト兄弟の飛行機から今日まで、翼型とくに主翼において様々な種類
    の変遷を行ってきました。


    そして、
    翼の形(飛行特性)を決定するときに、先ずその飛行機がどのような
    使われ方をするのか、言いかえれば用途の目的を十分満たすためには、

    次のような項目を考える必要があるということです。

    ・前縁    :翼形の最前端

    ・後縁    :翼形の最後端

    ・翼弦線   :前縁と後縁をむすんだ直線

    ・翼弦長   :翼弦線の長さ

    ・中心線   :翼形の上下面の中央を通る曲線

    ・キャンバ :中心線の反りの大きさ(翼弦長に対する%)を表わす

    ・翼厚   :翼形の最大の厚さ(翼弦長に対する%)を表わす
    
    以上このような項目がありました。

    なかでも、「翼厚」「キャンバ」「前縁半径」それに加えて「失速性」
    があり、これらの要素を変えることで、飛行機の特性が大きく変化
    する。

    と言うことでした。

    またこれを、
    補完する装置として、さまざまな「高揚力装置」の設置が図られて
    いたのですね。
        
    ※翼弦線と翼弦長において、翼の下面の形状でこの定義は変わり
    ますが、ここでは省略いたします。

     先の号を参照してください。
                    
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    ちょっと一息!

    《喫茶室》

    ◇[スモールワールドへの誘い]

      −Wingrove の世界−

    筆者の趣味の一つに
    模型作りがあることは、すでに何度か当メルマガでもお伝えした通り
    ですが、

    今日ご紹介する人物は、

    私が30数年前、氏の作品にはじめて触れたとき、鳥肌が立った思い出
    があります。
    
    おそらく彼の作品を、グラビアでご覧になられた方も数多く居られる
    のではないでしょうか。

    たぶんそれを黙って見せられたら、実車と見間違うほど精巧な作りに
    目を疑うことでしょう。

    そんな氏の創作にかける職人の技を、スライドで堪能できるとしたら、
    模型趣味人にとって、とても素晴らしいと思いませんか。

    実車の資料を

    収集することから始まって、写真を撮り、図面を起こして、材料を
    集め、木型、金型を始め、治具、はたまた工作機器まで自作して、
   
    モデル作りを徹底する。

    完成まで3〜4年かかるのも珍しく無いと言う。

    まさに実車のコーチビルダーと、何ら遜色のない製作工程には感嘆の
    声をあげるしかありません。

    そして信じられないことに、

    アルファ・ロメオ-スパイダーのエンジンが見事に始動!?したのです。

    イグニションキィのON/OFF時の音まで、シッカリ聞こえました。
    さらに、スロットル・ペダルと連動して回転数まで変化する。

    ドアの閉まる音までも‥‥But does it work?

    彼、得意のジョークがストリーミングで楽しめますよ。
   
    そんな、フル・スクラッチ・モデラーとしての、

    超一級の世界を、ぜひ味わってください。間違いなくため息が。。。


    ▽こちらから ⇒  http://www.wworkshop.net/ に入って、

    ▽開いたページWingrove Workshop で、for Home Page にクリック。

    ▽Workshop home page 下の方にある Model Collection へクリック。

    ▽Index ページのサムネイルを選んで、お楽しみください。

   
    これだけでスケールモデルの「工作マニュアル」ができますね。
                          ‐hiro‐

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    ※初心者のための車講座
                 
    ◎車を知る【構造編・シャーシー】

    ◆[サスペンション]suspension

    今回は独立懸架方式に対して、

    もう一つのタイプ、リジッドアクスル方式について述べていきます。

    ◆「リジッドアクスル方式」rigid axle

    一本の車軸の両端に、
    それぞれ左右の車輪を、衝撃吸収やクルマの姿勢を保つための
    スプリング、ショックアブソーバー等で、支持され取り付けられて
    います。

    独立懸架方式にくらべて、
    乗り心地やクルマの挙動を安定させる面では、かなり劣ってしまう
    のですが、

    構造が単純なことから、強度を必要とする車両の構造に最適な方式
    といえます。

    その用途には、
    商用タイプの中、小型車のリヤアクスル、また大型トラック等の
    フロント及びリヤアクスルに多く使われています。

   
                   今回は、アッサリと終わりました。

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    謹告。

    このメールマガジンの、読者様のなかで、
  
    1960年代当時、日産自動車追浜工場、第三実験課。(通称Y‐3課)
    に所属されていた方が、もしおられましたら、

    是非、是非、ご一報いただきたい。

    このメールマガジン紙上へ、三顧の礼をもってお迎えいたします。

    当時、日本は国をあげ、まさに重厚長大、怒涛の勢いで経済発展を
    推進してまいりました。

    自動車業界もその一翼を担い、国のキー・インダストリーとして、
    大いに躍進を遂げました。

    日産も、業界初のデミング賞を受賞するなど、
    「技術の日産」として確固たる地位をきずいたのです。
 
    誤解を恐れずに述べさせていただくならば、最も華々しく、パワー
    に満ち溢れていた頃ではないだろうか。

    後の日産の、多方面での活躍をみるまでもなく。

    そのなかにあって、

    Y−3課の存在は知られていても、その秘匿性ゆえ内容は一般の知る
    ところに非ず。

    しかし、そこから世におくりだされた名車の数々は、市場を席巻し
    紛うことなく、その実力を知らしめたのであります。

    今日、世界に冠たる自動車王国を築けたのも、当時の先人たちの、
    血のにじむ努力の賜物であります。

    激動の同時代をふりかえって、大いに語り合おうではありませんか。

    ご連絡お待ちしております。 
             
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     〓 編集後記 〓

    このところ、一気に秋めいてきましたね。

    皆さんの地方は、いかがですか?
    紅葉が楽しみです。

    またモーターサイクルが最も元気になる季節です。   
    大陸からの高気圧は、内燃機関にとってのカンフル剤ですからね。

    当マガジンの読者さまは、すでにご存知ですね。

    革ツナギで武装して、少し遠乗りにでもいきますか。

    幾つになっても、やめられません。

    楽しい!!
            
                         ‐hiro‐

                 ‐平成18年 11月 1日 23時25分‐
              
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  中高年と初心者のための『車読本』
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         こばやし ひろふみ
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