[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
    中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                          
                      − 第32号 2006.7.19 −   
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  ☆皆様、お元気でしたか!!
      ご購読いつもありがとうございます。
                      
         そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
    
           ―――――――*―――――――

    ◇じつは、きょう嬉しい!!お知らせがあります。

    昨日、7/18に発行された、

    まぐまぐ公式メールマガジン「車のまぐまぐ!」で、

    「おすすめ☆カーライフ充実メールマガジン」のコーナーに於て、
    今週のイチオシのマガジンとして、

    当メールマガジン、中高年と初心者のための『車読本』が選出!
    紹介されましたことを、お伝えいたします。

    このことは、
    当マガジンを、ご愛読いただいている読者さま、そして常日頃から
    支えてくださっている、まぐまぐスタッフの方々の賜物と、
    深く肝に銘じて、なお一層、

  
    ◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
     メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。

     よろしくお願いいたします。
           
    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

               [等幅フォントでお読みください]

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    それでは、今日もご一緒に!

   ★ やさしい自動車工学

    前回の「混合比の値」は、いかがでしたか。

    排気ガス成分の分析で、
    その中でも「炭酸ガスCO2の量」の変化を利用した混合比計は、
    一般的に用いられておりますが、

    ◆ここで、ご注意!していただきたいのは、
    混合比、約「14.8=理論混合比」で CO2 の成分割合(量)は、
    反転して逆に減少を始めるので、

    「混合比計」としての使用範囲は、ここまでで、

    これ以上は、

    ◆混合比が薄くなるにも関わらず、「混合比計」の指針は逆に、
    次第に濃くなる方を示すようになるのです。

    そのため測定には、十分に注意する必要があるわけですね。

    
    それでは今日のテーマです。

    ▼混合比のまとめ

    いままで、このメールマガジンで取り上げてきた「混合比」の
    項目について、もう少し補足してみたいと思います。

    勿論、重複する部分もでてくると思いますが、
    そこは復習のつもりで、お読みいただければ結構です。

    ◆混合比 mixture ratio は、
    吸入する「空気と燃料の重量比」で、表わされておりましたね。
    いわゆる、空燃比 air fuel ratio と呼ばれています。

    単位はもちろん(g)ですね。

    ◆そこで完全燃焼するための
    「理論混合比」theoretical mixture ratio は、
    約「空気 14.8:燃料 1」で、これも燃料(ガソリン)の成分に
    よって変化することはすでに述べてきました。

    ◆また出力の、最も大きくなる混合比
    「最大出力混合比」best power mixture ratio は、
    「空気 12.5〜13.0:燃料 1」で、

    ◆最も経済的な混合比
    「最良燃費混合比」maximum economy mixture ratioは、
    「空気 15.0〜15.5:燃料 1」となりました。

    ◆最良燃費混合比 の
    エンジン回転域付近では、エンジンの安定度が多少不安定に
    なることもあります。

    なおこれ以上に、混合比を薄くしていくと、
    エンジンの出力が低下して、安定度は一層悪くなります。

    『それゆえ、実用するエンジンでは、
    最良燃費混合比より、僅か濃い混合比(安全側)の方に設定する
    のが理想といえます。』
    
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   ☆ やさしい航空工学

    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。

    ◇前回の「層流と乱流」は、いかがでしたか?
  
    このように、
    「管から流れでる水の速さが、ある一定の値より増えた時、
    または、管の直径がある値を超えた場合に、流れは乱れて
    いわゆる乱流となるのです。」
       
    それでは今日のテーマ。

    ▽流体力学の基礎

    ◇【遷移・剥離】
   
    前回の号では、
    水道管から流れでる水のように、目で見る事ができる流体(液体)
    について述べたのですが。

    今回は、目に見えない、
    気体(空気)の流れについて述べてみます。

    たとえば、
    今あなたが、穏やかな街の歩道を散歩していたとします。
    そのとき、すぐ脇の車道をかなり速いスピードで、
    一台のクルマが走り抜けて行った。

    このような場合に、
    その瞬間、それ相当の風圧を感じますよね。
    走り去ったクルマが大きければ、なおさらに。
   
    これは、
    走行するクルマが、車体の周囲の空気を引き連れて、走って
    いるからなのです。

    そしてこのことは、
    ◇航空機にも言えることで、この引きずられて動く空気の層を
    「境界層」と呼んでいるのです。

    ◇この境界層には、
    「層流境界層」と「乱流境界層」とがあって、
    その双方の流れの変わるところを「遷移」と言っているのです。

    前の号で説明した、水の流れと同じですね。

    またどちらの境界層においても、
    物体(この場合、航空機)の大きさによって、その厚さは、
    変化するのですが、せいぜい数ミリ〜数10ミリ位しかありません。

    ◇今、ある「迎え角」で、
    飛行している航空機の主翼に働く気流(境界層)は、
    その迎え角を大きくしすぎると、

    ◇これらの境界層は、主翼からはがれて「渦」が発生します。

    『このような現象のことを、空気の「剥離」といい、航空機の飛行
    を妨げる大きな要因にもなっているのです。』
  
    注。迎え角(むかえかく)angle of attack

      ◇純空気力学的用語であって、
      『航空機(飛行機)の翼弦(翼の前縁と後縁とを結ぶ線)と
      気流の流れの方向とのなす角度。』

      つまり、大雑把に言えば、
      いま水平飛行中の航空機(飛行機)が、上昇する為に機首を
      上に向けたとしよう、

      その場合、主翼も同じ角度をもって上向きになりますよね。
      このときの、主翼と気流(水平に流れている)とのなす角度
      が「迎え角」と言います。
               
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    今日の本題。

    ◎車を知る【構造編】

    ▼[マフラー]muffler

    消音器(サイレンサー)ともいい、
    前回に述べた、エキゾーストマニホールドやエキゾーストパイプ
    に関連して必ず出てくるのが、この「マフラー」です。

   
    ◆その働きは、
    これも前回の説明にも触れた通り、エンジンの燃焼室内で燃焼を
    終えた「高温高圧の排気ガス」が、排気管を抜けてこのマフラーに
    到達するわけですが。

    この時には、
    まだまだ相当の高い温度と、高い圧力を維持しているために、
    このまま大気中に排出すると、一瞬に膨張して、大気との衝撃波に
    よる大きな排気騒音!を発生させてしまう。

   
    ◆これを解決するのに、
    マフラーを用いるのですが、その内部は幾つかに仕切られていて、
    そこを順次通り抜けながら、減圧、消音をくり返して、
    最後に大気中に放出される。


    ◆またその内部構造は、
    かなり複雑にできていて、各、部屋の仕組み、大きさ、仕切り板の
    材質(主に吸音、熱交換)等々、

    エンジン性能特性、吸、排効率、それに騒音デシベルなどを考えて
    各メーカーが日々研究を続けております。
                                                                           
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    謹告。

    このメールマガジンの、読者様のなかで、
  
    1960年代当時、日産自動車追浜工場、第三実験課。(通称Y‐3課)
    に所属されていた方が、もしおられましたら、

    是非、是非、ご一報いただきたい。

    このメールマガジン紙上へ、三顧の礼をもってお迎えいたします。

    当時、日本は国をあげ、まさに重厚長大、怒涛の勢いで経済発展を
    推進してまいりました。

    自動車業界もその一翼を担い、国のキー・インダストリーとして、
    大いに躍進を遂げました。

    日産も、業界初のデミング賞を受賞するなど、
    「技術の日産」として確固たる地位をきずいたのです。
 
    誤解を恐れずに述べさせていただくならば、最も華々しく、パワー
    に満ち溢れていた頃ではないだろうか。

    後の日産の、多方面での活躍をみるまでもなく。

    そのなかにあって、

    Y−3課の存在は知られていても、その秘匿性ゆえ内容は一般の知る
    ところに非ず。

    しかし、そこから世におくりだされた名車の数々は、市場を席巻し
    紛うことなく、その実力を知らしめたのであります。

    今日、世界に冠たる自動車王国を築けたのも、当時の先人たちの、
    血のにじむ努力の賜物であります。

    激動の同時代をふりかえって、大いに語り合おうではありませんか。

    ご連絡お待ちしております。 
            
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     〓 編集後記 〓

    日曜日の夜、TVでF1観戦!

    惜しかったね、トヨタの表彰台?は。

    それにしても、
    近年のF1マシンの丈夫なこと、驚きです。
    
    もろんそれには、
    現代のハイテク技術(産業)から、フィードバックされてくる、

    材料力学、構造力学、応用力学、様々な電子部品、等々の精度の
    高度化により、強度と軽量化の向上とが相俟って、

    今までとても考えられなかった、余程、リスキィなトラブルから
    でも、回避できる生還率の高さには、まさに驚くばかりです。

    もし、‥‥ もしできるなら。

    このようなマシーンが、遥か遡ること40年程前にあったなら、
   
    ‥‥‥‥。

    彼の天才ドライバー、

    愛称。ジム・クラーク(Jim CLARK)
    本名。ジェムス・クラーク

    また、天駆けるスコットランド人(flying scotsman) の異名を
    持つ、伝説の名ドライバー。‥‥ の死も。
   
    1960年代イギリスは、

    全ヨーロッパ、いや全世界にその名を馳せた名門中の名門!
    コーリン・チャップマンの擁す、チームロータスに在籍。

    そのチームメイトには、

    髭の英国紳士、グラハム・ヒルを筆頭に、
    エマーソン・フィッティパルディ、
    ヨッヘン・リント、
    マリオ・アンドレッティ、… 等々。

    これまた、負けず劣らずのチャンピオンドライバー達が、
    綺羅、星の如く。その名を連ねている。

    F1ワールドチャンピオンになること2回。

    そしてその活躍は、F1のみにとどまらず。
    1965年には、インディ500でヨーロッパ人初の優勝を果たす。

    しかし、その3年後1968年。

    ドイツ(当時、西ドイツ)片田舎、ホッケンハイムのサーキットで、
    F2レースに参戦中、不慮の事故死を遂げる。

    享年、若干32。

    まさに、‥‥ 草レースで。
                     ‐hiro‐
             ‐平成18年 7月 19日 22時55 ‐                        
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         こばやし ひろふみ
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