[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

 車の事典
    中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                          
                      − 第24号 2006.5.24 −   
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  ☆皆様、お元気でしたか!!
      ご購読いつもありがとうございます。
                      
         そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
  
    ◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
     メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。

     よろしくお願いいたします。

    ‐このメールマガジンは‐

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

               [等幅フォントでお読みください]

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    それでは、今日もご一緒に!

    ★ やさしい自動車工学

    前回の「混合比の表し方」は、いかがでしたか。

    ◆混合比は、重量比で表している。

    空気と燃料の混合比率が、
    エンジン出力や燃料消費率など、エンジン性能と深く関わっている。
    でしたね。
        
    そこで今日のテーマ!

    ▼混合比の出力・燃料経済(消費)への影響

    ◆「絞り弁開度一定試験」

    混合比が、エンジンの性能におよぼす影響をかんがえるとき。

    運転条件(絞弁開度:スロットルバルブの開度とエンジン回転数)

    を一定にして、混合比だけを変化させた場合のグラフの曲線が、    
    魚を釣るときの針に似ているところから、

    ◆「フィッシュ・フック・カーブ」fish-hook curve と、
    言われています。

    釣り針曲線、とでも言うのでしょうか。

    ◆別名「ミクスチャ・ループ」mixture loop とも言われています。

    混合比の環と言う意味ですかね。ちょっと苦しいですね。

    我々は、前者の方をよく使っていましたね。

    上記のテストで、    
    ある混合比のときに、出力が最大値を示したとする。

    このときの混合比を、
    ◆「最大出力混合比」best power mixture ratio といいます。

    テストするエンジンにもよりますが、参考までに。

    このときの混合比は、概ね12.5〜13.0:1くらい。
       
    ◆「最大出力混合比」よりも、かなり濃くしていくと、
    しだいに燃焼状態が悪くなり、しまいには正常な運転ができなく
    なってきます。

    この限界を、
    濃い方の「正常燃焼限界」rich limit of regularfiring 
    といいます。

    それ以上もっと濃くしていくと、
    ついには燃焼できなくなってしまう。これを「可燃限界」という。

    ◆こんどは逆に「最大出力混合比」を薄くしていくと、

    出力は始め、比較的にゆるやかですが、しだいに、そして急速に
    出力は低下します。

    このように出力の弱くなった混合気を、
    「弱い混合気」weak mixture といい。

    濃くて強い混合気を
    「強い混合気」strong mixture といいます。
    
    ◆混合比を薄くしていくと「燃料消費率」は、
    しだいに向上していくのですが、ある混合比のところで、

    最もよい値を示し、その後は燃料を薄くしているにもかかわらず、
    かえって急激に「燃料消費率」はわるくなるのです。

    ◆そして、この最も燃料消費率のよい混合比を、
    「最良燃費混合比」maximum economy mixture ratio という。

    ここではエンジンの安定度を考えていないので、実用的に
    最もよい燃費、という意味ではないのですよ。

    あくまでも、実験上のということです。

    ◆また混合比を薄くしていくと、    
    「最良燃費混合比」の付近からエンジンの安定度は、
    しだいに悪くなりはじめ、そしてまもなく急に安定が悪くなる。

    そしてこれを、濃いときと同様に、
    薄い方の「正常燃焼限界」lean limit of regularfiring
    というのです。
   
    これをもっと薄くしていくと、これもまた燃焼ができなくなる。

    それを薄い方の「可燃限界」といいます。

    ◆まあ、実用上さほど問題がない、
    エンジンの安定度(安定しているエンジンの回転域)の限界を
    「正常燃焼限界」と考えてよいと思います。

    きょうは専門用語が、かなりでてきましたが、
    むりに覚える必要はありませんよ。
            
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    ☆ やさしい航空工学

    ここでは、
    筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
    航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
    どうぞ楽しんでください。

    ◇【温度の測定】temperature measurement

    前回も述べたように、
    暑さ、寒さの度合いを温度計の目盛りで表したのが「温度」です。

    一般に物体は熱すれば、膨張しますね。

    ◇そこでこの膨張の度合い(程度)を測定すると、暑さの度合いを
    知ることができるのです。

    ◇これが温度計の原理ですね。

    そして膨張する物質につかわれるのが、
    一般的には、水銀でありアルコールなのです。
   
    もちろんこの他にも、
    いろいろありますよ、機会があったらとりあげますね。
    
    ご存知ですね、
    温度の目盛りには、先の号でもせつめいしたように、
    摂氏 celsius と華氏 fahrenheit それと絶対温度 kelvin
    がありましたね。

    ◇温度計では、「目盛りの基準」と「目盛りの幅」を決めるために
    二つの「温度定点」がひつようになるのです。

    そしてこの定点に水の「氷点」freezing point と、
    「沸点」boiling point を利用します。

    これによって、
    ◇華氏では、氷点は32°で沸点は212°であり。

    この二つの定点間の温度差は、180°になります。

    ◇摂氏では、氷点は0°で沸点は100°で、
    定点間の温度の差は、100°ということです。

    ◇それで華氏と摂氏の目盛りの比は、
    180と100または、9/5になります。つまり9°F = 5°C

    になるということです。

    そこでこの比は、
    その二つの温度目盛を、換算するときにつかわれ、
    換算の式は次のようになります。

                5
         °C = ── ( °F +40 ) − 40
                9

               9
         °F = ── ( °C +40 ) − 40
               5

    または、
                          5
         °C = ( °F − 32 ) × ──   
                          9

                    9
         °F = ( °C × ──) + 32
                     5

                     になります。


    上の二つの式は、
    おなじ形で分母、分子がいれかわっているだけです。
   
    また下の二つは、
    従来からよくつかわれている、おなじみの式ですね。

    上の式のほうが、簡単で覚えやすいのではないでしょうか。

    ◇このことから、
    −40度の温度は、摂氏でも華氏でもおなじ温度になります。

    ◇また絶対温度では、
    摂氏の目盛りで−273.15°が絶対温度 0度 であり、

    ◇この絶対温度を °K (kelvin) または °A (absolute)
    と表します。

    以上の説明は、先の号でも述べておりますので、
    ご記憶の方もおられるとおもいます。

    下記に簡単な、
    摂氏、華氏 の温度目盛りの比較図を表してみました。

    −40℃  0   15               100℃
     │     │   │               │
    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
     │     │   │               │
    −40°F  32  59              212°F

                                 ご参考にしてください。
                                    
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    今日の本題。

    ◎車を知る【構造編 エンジン】

    ▼[続.燃料噴射装置]

    前回に説明した、
    「電子制御燃料噴射装置」が台頭してくるまでは、

    主流の座をしめていたのが、「機械式」と言われるようになった、
    燃料噴射装置「キャブレター」です。

    ◆目的と働き
    「燃料噴射装置」であることから、その目的と働きは電子制御方式
    とかわらないのですが、構造はまったく違います。

    構造は大きくわけて、
    「フロートチャンバー」と「ベンチュリー」といわれる、二つの
    主な部分で構成されています。
    
    ◆「フロートチャンバー」は、
    燃料(ガソリン)を一定量、常にためておく部屋です。

    ためておく適正量を調節しているのが、「フロート」 float と、
    よばれている、浮きであることからこのような名前がつけられた
    のですね。

    例えが何ですが、トイレの水洗用のタンク、いわゆる水槽のような
    物と思っていただければ、分かりやすいかと、スミマセン。

    ◆「ベンチュリー」は、エアクリーナーを通ってきた空気が、
    「ベンチュリー」といわれる、管の内径の一部分を狭くした、
    空気の通路を通過するときに、流速が最大になる。

    それによって、

    途中に設けられたガソリンの吐出口(ニードルジェット)から、
    ガソリンが吸い出されて混合気がつくられるのです。

    いってみれば、霧吹きの原理ですね。
                   
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    謹告。

    このメールマガジンの、読者様のなかで、
  
    1960年代当時、日産自動車追浜工場、第三実験課。(通称Y‐3課)
    に所属されていた方が、もしおられましたら、

    是非、是非、ご一報いただきたい。

    このメールマガジン紙上へ、三顧の礼をもってお迎えいたします。

    当時、日本は国をあげ、まさに重厚長大、怒涛の勢いで経済発展を
    推進してまいりました。

    自動車業界もその一翼を担い、国のキー・インダストリーとして、
    大いに躍進を遂げました。

    日産も、業界初のデミング賞を受賞するなど、
    「技術の日産」として確固たる地位をきずいたのです。
 
    誤解を恐れずに述べさせていただくならば、最も華々しく、パワー
    に満ち溢れていた頃ではないだろうか。

    後の日産の、多方面での活躍をみるまでもなく。

    そのなかにあって、

    Y−3課の存在は知られていても、その秘匿性ゆえ内容は一般の知る
    ところに非ず。

    しかし、そこから世におくりだされた名車の数々は、市場を席巻し
    紛うことなく、その実力を知らしめたのであります。

    今日、世界に冠たる自動車王国を築けたのも、当時の先人たちの、
    血のにじむ努力の賜物であります。

    激動の同時代をふりかえって、大いに語り合おうではありませんか。

    ご連絡お待ちしております。 
             
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    ◆ 編集後記 ◆

    前回の続きです。

    きょうの本題でも取り上げた、「キャブレター」について。

    私的な好みでいえば、
    まちがいなくキャブレターの方が好きだ。

    エンジンのスロットル・レスポンスなどは、
    とうてい電子制御等の比ではない。

    もちろん構造の複雑さもさることながら、精密さにおいても、
    自動車部品のなかで群をぬいていた。

    その性格は、「大気の状態」にすこぶる敏感で、
    とうぜんなこと、シビアなチューニングを要求してくる。

    生半可な知識や技術では絶対むりだったね。
    
    極めていくと、そこはもう感覚の分野に入っていて、
    じつに楽しい、面白い、そしてなによりもエキサイテングなのです。

    エンジンの診断によくつかわれる。
    各種計器、テスター類は、あえて必要最小限での使用にとどめ。

    その技と感覚を、極限まで高める訓練を競ってやったものです。
    
    とくに最終段階の「空気の吸入量」の微調整などは、
    「エアファンネル」の空気取り入れ口を指でふさぎ、
    その指を開いたり、閉じたりしながら、

    そこを流れる空気の当たり(速度、温度、吸入音)から、
    またエンジンの回転ムラ、吹き上がり、切れ、メカニカルノイズ、

    ‥‥ 等々の反応から。

    判断して、
    各シリンダーごとに、ベストの状態にもっていき、
    最後はそれらの二連、三連装のキャブレターが、トータルで

    一個のキャブとして、機能するようにバランスさせるのですが、
    これが決まったときなどは、まさにメカニック冥利につきます。

    ここまでの作業(各種のバルブ、ジェット類の選択、セッテング等)
    が、むくわれるおもいです。

    もちろんそれが正しいチューニングであることは、
    その後におこなった、

    各、計測機器からのデータで、明らかになるのですが。
   
    SU型、ソレックス、ウエバー、ゼニス・ストロンバーグ、… etc.

    どれもこれも個性あふれる、すばらしいキャブレター達だったね。

    残念なことに、これらの芸術品とまでおもえる自動車部品が、
    時代から、すこしずつ消えていこうとしています。

    しかし、いまの環境問題(排ガス規制)を考えるとそれもまた、
    やむをえない事なのですが。

    いまでも、
    工場や、サーキットでのシーンが、なつかしく思い出されます。

        オイル、タイヤの焼けるにおい … 。
                  甲高い!サウンドとともに。
      
                             ‐hiro‐

                    ‐平成18年 5月20日 22時10分‐
  
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