[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につくメールマガジン!]
車の情報誌
中高年と初心者のための『車読本』
by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』
− 第14号 2006.3.12 −
─────────────────────────────────────────
☆皆様、お元気でしたか!!
ご購読いつもありがとうございます。
そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。
よろしくお願いいたします。
このメールマガジンは、
難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
お伝えしているつもりですが、
時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
もあります。
そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
ご安心ください。
また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。
─────────────────────────────────────────
それでは、今日もご一緒に!
★やさしい自動車工学
ここ毎回、かなり専門的な項目が続いておりますが、がんばって
くださいね。
チャンスですから。
これらの基礎理論をしっかり学んでください。
一味ちがった、
クルマの見方や楽しみ方ができることうけあいです。
さあ、今日のテーマです。
▼[エンジン性能特性]
まあ、言ってみればエンジンの性格のことです。
新しく誕生するエンジンの性格の決め方や、育て方と性能曲線の
読み方、などについて述べていきます。
人間には、それぞれ特徴のある性格がありますよね。
自動車エンジンにも、
そのエンジン独特の性格があるんです。
そしてそのエンジンの性格は、クルマとのバランスがとれていて、
その特徴ある性格が、クルマのすぐれた特長でなければならない。
と言うことです。
そこで説明に入る前に、エンジンの性能を左右する内容について、
関連する項目を、取り上げてみたいと思います。
エンジンの大きさは、一般的には大きい方がクルマの性能は良くなる
のは当然です。
エンジン出力、加速性能、最高速度、耐久性 … 等々。
また、とかく悪くなるのではないかと考えられている、燃料消費率
でさえも、エンジンの大きい方が良くなる傾向にある。
もちろん、振動や騒音さえも少なくなる。‥‥ あたりまえか。
したがって、クルマの走行性能(動力性能)を考えるときは、
クルマに対するエンジンの大きさが重要になってくる。
しかし、エンジンの大きさの決定は、クルマの性格、用途(使用目的)
生産量、価格の他に、法規、協定、等々を総合的に検討して、
決めなければならないんですが、
ここでは、
性能を中心にして考えてみたいとおもいます。
走行性能(動力性能)的に考えてみたとき、エンジンの大きさの選定
は、走行時のクルマの重さに対して考えればよいわけで、
これが乗用車の場合、一人の時もあれば、定員乗車の時もありますし、
また商用車、トラック等の場合は積載量によっても違ってきます。
当然のことながら、選定時にはそれらの条件を考慮にいれなければ
ならないのですが。
かくもクルマのエンジンは、たった一つ重さを条件に考えただけでも
このように厳しいのです。
クルマとのバランスのとれたエンジンの開発が、いかにシビアなもの
であるかおわかり頂けましたか。
以下に、エンジンの大きさとクルマの重さとの比を式にすると
エンジンの大きさ 総排気量cc
K = ――――――――― = ――――――――
クルマの重さ 車両総重量kg
前に述べたように、クルマに対してエンジンが大きい
方がクルマの性能はよくなるので、K の値は大きい
ほうがよい。
また他にも、エンジンの総排気量(total displacement)当たり
の馬力(これをリッター馬力PS/Lという)があり、エンジンの
性能比較や性能表示によく用いられる。
参考までに、憶えていると便利です。
簡単な性能比較には、とりあえず使えます。
以上、
述べてきたことから、新しいエンジンの性格「エンジン性能特性」
はこれらを考慮に入れて、
クルマの性格、車種、用途、輸出関係、環境‥‥等その他色々の
条件を考えて決められます。
エンジンの性格と大きさが決まれば、これをもとにして、
まずエンジンの「主要諸元」を決定し、そして細部仕様へ設計が
移っていきます。
エンジンの性能を知る上で、用いられる性能曲線では、
定常運転しているときのエンジン性能の全てを知ることのできる、
「全性能曲線」があります。
― 実際ほとんどこれでこと足りる ―
この「全性能曲線」には、
軸トルクで表わしたものと、軸馬力で表わした全性能曲線があり
ます。
これらの線図には、いろいろな性能曲線が記入されているので、
クルマの使い方(目的)が決まれば、
たとえば道路条件、乗車人数、車速、が判ればそのときの馬力、
トルク、吸入負圧、燃料消費率などがわかる。
また逆に、吸入負圧(実際にブースト計を用いて、走行中に計測
できる)、と車速が判ればこれらの数値をもとめることができる。
このように「全性能曲線」を用いることで、
どこの性能がどうなっているのか、改良、改善をするためには、
どこをどうしたら良いのか、を知ることができるのです。
◆まとめ
新しいエンジンの性格を作り上げていくには、
今まで述べてきた、全性能曲線を基にして、検討をしていけば
よいのです。
手順として、
まず「全開出力曲線」を記入する。
それからこれに対して、クルマのいろいろな使用条件(乗車人数、
道路状況など)による走行抵抗曲線を計算して記入する。
これによって、エンジンの使用範囲、常用範囲、その他性能個々の
部分のエンジンの使い方が判ってくる。
その結果、
機械効率、熱効率が最もよいところを、
エンジンの性能の(全性能の中の)どの部分に置くかによって、
実用車に使う中速、低速型エンジンになるか、
または、スポーツカーやレーシングカーなどに用いられる、
高速、超高速型エンジンの性格になるかが決まるのです。
エンジンの排気量や「主要諸元」がきまっているとき、
回転数で出力(馬力)を大きくしようとすると、一般的には、
低速回転域でのトルクが小さくなる。
たとえば、スポーツカーのような高速型エンジンにすると、
実用範囲内ではトルクが小さく、燃料消費率も増して実用的には
あまり使いよいとはいえないのです。
しかし高速性能を利用したスポーツ・ドライビングには、
最も適した「エンジン性能特性」と言えるでしょう。
また逆に低速、中速回転域でのトルクを大きくすれば、最高馬力は
多少、小さくなっても一般的に運転しやすい経済的な、エンジンに
することができます。
今まで述べてきたことを理解する簡単な方法が、これから説明する
項目です。
◆「全開出力性能」
はじめて目にする名称だとおもいますが、
先にカタログデータの読み方「主要諸元を読む」の号で取り上げた、
エンジン性能曲線を思い出してください。
それと同じようなものです。… が、
じつは別物ですよ。
そこにもう一つ燃料消費率の曲線が加わったことです。
これはエンジンの極めて基本的な性能の一つです。
この性能は、三本の曲線だけでエンジンの性格を表わした、
最もシンプルで、最も解かりやすい方法と言えるでしょう。
以下、順次説明していきます。
・馬力曲線(軸馬力)
ポイントは最高馬力(出力)とそのときのエンジン回転数です。
特にエンジン速度(回転数)を見ると、高速型か実用性を重視した
エンジンであるかが判り、性格を判断するのに大変重要です。
▼トルク曲線
これのポイントは、最大トルクとそのときのエンジン回転数です。
それにトルク曲線の傾向(形)。
これらはいずれも性格を判断するうえで重要です。
このトルク曲線の読み方を熟知することによって、
そのエンジンを開発した人達の、最大トルクに対する考え方なども
手にとるように判り、興味はつきない。
また極端な話、発表されたばかりの新車に対しても、
クルマの重量、
総排気量
トルク曲線(それにカタログでの公表値)から
新車の性格、性能、それに売れ行き予想
はたまた評判までも、ほぼ的確に判断できる。
◆「トルク曲線」は重要です。そしてすこぶる面白い!
▼燃料消費率曲線
この全開出力の燃費率は、常用燃費とは違って経済燃費率に
調整されているわけではないから、エンジンの性格を見るのに
それほど重要ではありません。
とりあえず、最小燃費率とそのときのエンジンの回転数、
それにその回転数の、前後の燃費率の増加について知っておく
程度でよいでしょう。
今回、取り上げた「エンジン性能特性」は、
クルマのエンジンの性格判断をする上で、大変重要な項目
でした。
いかにも無機質な構造物のエンジンが、命を吹きこまれ、
しかも性格さえも与えられて誕生していく過程が、良く理解
できたことと思います。
─────────────────────────────────────────
早速、今日の本題
◎車を知る
【構造編 エンジン】
▼[エンジンの基礎知識]続編。
前回の簡単な説明に、もう少し詳しく付け加えます。
レシプロ4サイクルエンジンの行程。
ご存知のようにシリンダー内のピストンが、四つの行程を
クランクシャフトの2回転とともに行う。
◆「吸気行程」
シリンダー内をピストンが降下しながら、その負圧によって燃料
と空気の混合気を、吸気バルブを介してシリンダー内へ導く。
電子制御式燃料噴射方式の場合は、空気だけが吸い込まれる。
◆「圧縮行程」
シリンダー内をピストンが上昇しながら、吸い込まれた混合気
または、空気が燃焼室内まで圧縮されていく。
とうぜん、高温、高圧です。
◆「燃焼行程」
ピストンの上昇、による圧縮行程が完了する直前に、高温、高圧、
のガス状になった混合気に、スパークプラグによって着火され、
燃焼がはじまる。
燃料噴射方式の場合は、ここで燃料の噴射が行われる。
燃焼ガスの急激な膨張によって、ピストンが強く下へ押し下げ
られ、クランクシャフトに回転力(トルク)が発生する。
◆「排気行程」
燃焼膨張を終えた高圧ガスは、再びピストンの上昇によって、
燃焼室から排気バルブを介して、シリンダーの外へ押し出される。
そしてまたピストンの下降とともに、吸気がはじまる。
この一連の行程が4行程あることから、4ストロークエンジンと
言われる。
また各、行程の詳しい説明は、いずれ機会をみてお話いたします。
─────────────────────────────────────────
◆ あとがき ◆
めっきり春めいてきた今日この頃です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
そんな折りに、
先日すばらしい、感動的な経験をしました。
その日は朝から雲ひとつない、まさに日本晴れ。
風もなく、
日中の気温は6度〜7度前後。
乾いた空気が凛として張りつめている。
午後の3時過ぎ、突然頭上からピー、ヒョロロと、
甲高い鳴き声が降ってきた。
思わず見上げた目に、鳶が天空たかく、それも三羽、
きれいな円を描きながら、悠然と泳いでいる。
それだけではない、
その三羽の鳶が描く円のまん真中、東南の空に、
融けこむほどに透き通った、上弦の昼の月、
見事なまでに、納まっている。
しばし見とれている、高空のショーに、
ここまでやるの?
まさに真打。ご登場!
北から南へ遥か遠く、高く、鳶の描く円も、月も、
まっすぐ突き抜けて、エッチング細工にも似た機体を
輝かせ、四発の飛行雲を曳きながら、成層圏へ消えていった。
‥‥茫然自失。
とは、このことか。
ふっ、
と、我に返り、飛ぶことから見放された自分がいる。
もう、かなり飛んでいないなァ。
こんな日は、三舵の当たりもシャープで切れがよい。
ウインドシアも心配なく、鳶とランデブーといくか。
ぼんやり、思いをめぐらしていると‥‥、
聞きなれた、クラブ機(cessna.Skyhawk-172)。
Lycoming Single Engine の、
exhaust sound が、耳朶によみがえってくる。
Tower, this is JA hiro.enterprise
Request taxi and departure informations over.
‐hiro‐
‐平成18年3月11日 23時30分‐
─────────────────────────────────────────
中高年と初心者のための『車読本』
発行システム:まぐまぐ! http://www.mag2.com/
☆配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000178136.html
─────────────────────────────────────────
発行元 : HIRO.ENTERPRISE
発行者 : CARLIVE SEEKER 『車は1/1の模型だね!』
こばやし ひろふみ
ブログ : http://blog.livedoor.jp/staff_17/
メールアドレス :studio_rei@yahoo.co.jp
☆登録解除 : http://blog.livedoor.jp/staff_17/
Copyright(C)2006 HIRO.ENTERPRISE All rights reserved.
‐無断転載禁じます‐
車の情報誌
中高年と初心者のための『車読本』
by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』
− 第14号 2006.3.12 −
─────────────────────────────────────────
☆皆様、お元気でしたか!!
ご購読いつもありがとうございます。
そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。
よろしくお願いいたします。
このメールマガジンは、
難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
お伝えしているつもりですが、
時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
もあります。
そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
ご安心ください。
また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。
─────────────────────────────────────────
それでは、今日もご一緒に!
★やさしい自動車工学
ここ毎回、かなり専門的な項目が続いておりますが、がんばって
くださいね。
チャンスですから。
これらの基礎理論をしっかり学んでください。
一味ちがった、
クルマの見方や楽しみ方ができることうけあいです。
さあ、今日のテーマです。
▼[エンジン性能特性]
まあ、言ってみればエンジンの性格のことです。
新しく誕生するエンジンの性格の決め方や、育て方と性能曲線の
読み方、などについて述べていきます。
人間には、それぞれ特徴のある性格がありますよね。
自動車エンジンにも、
そのエンジン独特の性格があるんです。
そしてそのエンジンの性格は、クルマとのバランスがとれていて、
その特徴ある性格が、クルマのすぐれた特長でなければならない。
と言うことです。
そこで説明に入る前に、エンジンの性能を左右する内容について、
関連する項目を、取り上げてみたいと思います。
エンジンの大きさは、一般的には大きい方がクルマの性能は良くなる
のは当然です。
エンジン出力、加速性能、最高速度、耐久性 … 等々。
また、とかく悪くなるのではないかと考えられている、燃料消費率
でさえも、エンジンの大きい方が良くなる傾向にある。
もちろん、振動や騒音さえも少なくなる。‥‥ あたりまえか。
したがって、クルマの走行性能(動力性能)を考えるときは、
クルマに対するエンジンの大きさが重要になってくる。
しかし、エンジンの大きさの決定は、クルマの性格、用途(使用目的)
生産量、価格の他に、法規、協定、等々を総合的に検討して、
決めなければならないんですが、
ここでは、
性能を中心にして考えてみたいとおもいます。
走行性能(動力性能)的に考えてみたとき、エンジンの大きさの選定
は、走行時のクルマの重さに対して考えればよいわけで、
これが乗用車の場合、一人の時もあれば、定員乗車の時もありますし、
また商用車、トラック等の場合は積載量によっても違ってきます。
当然のことながら、選定時にはそれらの条件を考慮にいれなければ
ならないのですが。
かくもクルマのエンジンは、たった一つ重さを条件に考えただけでも
このように厳しいのです。
クルマとのバランスのとれたエンジンの開発が、いかにシビアなもの
であるかおわかり頂けましたか。
以下に、エンジンの大きさとクルマの重さとの比を式にすると
エンジンの大きさ 総排気量cc
K = ――――――――― = ――――――――
クルマの重さ 車両総重量kg
前に述べたように、クルマに対してエンジンが大きい
方がクルマの性能はよくなるので、K の値は大きい
ほうがよい。
また他にも、エンジンの総排気量(total displacement)当たり
の馬力(これをリッター馬力PS/Lという)があり、エンジンの
性能比較や性能表示によく用いられる。
参考までに、憶えていると便利です。
簡単な性能比較には、とりあえず使えます。
以上、
述べてきたことから、新しいエンジンの性格「エンジン性能特性」
はこれらを考慮に入れて、
クルマの性格、車種、用途、輸出関係、環境‥‥等その他色々の
条件を考えて決められます。
エンジンの性格と大きさが決まれば、これをもとにして、
まずエンジンの「主要諸元」を決定し、そして細部仕様へ設計が
移っていきます。
エンジンの性能を知る上で、用いられる性能曲線では、
定常運転しているときのエンジン性能の全てを知ることのできる、
「全性能曲線」があります。
― 実際ほとんどこれでこと足りる ―
この「全性能曲線」には、
軸トルクで表わしたものと、軸馬力で表わした全性能曲線があり
ます。
これらの線図には、いろいろな性能曲線が記入されているので、
クルマの使い方(目的)が決まれば、
たとえば道路条件、乗車人数、車速、が判ればそのときの馬力、
トルク、吸入負圧、燃料消費率などがわかる。
また逆に、吸入負圧(実際にブースト計を用いて、走行中に計測
できる)、と車速が判ればこれらの数値をもとめることができる。
このように「全性能曲線」を用いることで、
どこの性能がどうなっているのか、改良、改善をするためには、
どこをどうしたら良いのか、を知ることができるのです。
◆まとめ
新しいエンジンの性格を作り上げていくには、
今まで述べてきた、全性能曲線を基にして、検討をしていけば
よいのです。
手順として、
まず「全開出力曲線」を記入する。
それからこれに対して、クルマのいろいろな使用条件(乗車人数、
道路状況など)による走行抵抗曲線を計算して記入する。
これによって、エンジンの使用範囲、常用範囲、その他性能個々の
部分のエンジンの使い方が判ってくる。
その結果、
機械効率、熱効率が最もよいところを、
エンジンの性能の(全性能の中の)どの部分に置くかによって、
実用車に使う中速、低速型エンジンになるか、
または、スポーツカーやレーシングカーなどに用いられる、
高速、超高速型エンジンの性格になるかが決まるのです。
エンジンの排気量や「主要諸元」がきまっているとき、
回転数で出力(馬力)を大きくしようとすると、一般的には、
低速回転域でのトルクが小さくなる。
たとえば、スポーツカーのような高速型エンジンにすると、
実用範囲内ではトルクが小さく、燃料消費率も増して実用的には
あまり使いよいとはいえないのです。
しかし高速性能を利用したスポーツ・ドライビングには、
最も適した「エンジン性能特性」と言えるでしょう。
また逆に低速、中速回転域でのトルクを大きくすれば、最高馬力は
多少、小さくなっても一般的に運転しやすい経済的な、エンジンに
することができます。
今まで述べてきたことを理解する簡単な方法が、これから説明する
項目です。
◆「全開出力性能」
はじめて目にする名称だとおもいますが、
先にカタログデータの読み方「主要諸元を読む」の号で取り上げた、
エンジン性能曲線を思い出してください。
それと同じようなものです。… が、
じつは別物ですよ。
そこにもう一つ燃料消費率の曲線が加わったことです。
これはエンジンの極めて基本的な性能の一つです。
この性能は、三本の曲線だけでエンジンの性格を表わした、
最もシンプルで、最も解かりやすい方法と言えるでしょう。
以下、順次説明していきます。
・馬力曲線(軸馬力)
ポイントは最高馬力(出力)とそのときのエンジン回転数です。
特にエンジン速度(回転数)を見ると、高速型か実用性を重視した
エンジンであるかが判り、性格を判断するのに大変重要です。
▼トルク曲線
これのポイントは、最大トルクとそのときのエンジン回転数です。
それにトルク曲線の傾向(形)。
これらはいずれも性格を判断するうえで重要です。
このトルク曲線の読み方を熟知することによって、
そのエンジンを開発した人達の、最大トルクに対する考え方なども
手にとるように判り、興味はつきない。
また極端な話、発表されたばかりの新車に対しても、
クルマの重量、
総排気量
トルク曲線(それにカタログでの公表値)から
新車の性格、性能、それに売れ行き予想
はたまた評判までも、ほぼ的確に判断できる。
◆「トルク曲線」は重要です。そしてすこぶる面白い!
▼燃料消費率曲線
この全開出力の燃費率は、常用燃費とは違って経済燃費率に
調整されているわけではないから、エンジンの性格を見るのに
それほど重要ではありません。
とりあえず、最小燃費率とそのときのエンジンの回転数、
それにその回転数の、前後の燃費率の増加について知っておく
程度でよいでしょう。
今回、取り上げた「エンジン性能特性」は、
クルマのエンジンの性格判断をする上で、大変重要な項目
でした。
いかにも無機質な構造物のエンジンが、命を吹きこまれ、
しかも性格さえも与えられて誕生していく過程が、良く理解
できたことと思います。
─────────────────────────────────────────
早速、今日の本題
◎車を知る
【構造編 エンジン】
▼[エンジンの基礎知識]続編。
前回の簡単な説明に、もう少し詳しく付け加えます。
レシプロ4サイクルエンジンの行程。
ご存知のようにシリンダー内のピストンが、四つの行程を
クランクシャフトの2回転とともに行う。
◆「吸気行程」
シリンダー内をピストンが降下しながら、その負圧によって燃料
と空気の混合気を、吸気バルブを介してシリンダー内へ導く。
電子制御式燃料噴射方式の場合は、空気だけが吸い込まれる。
◆「圧縮行程」
シリンダー内をピストンが上昇しながら、吸い込まれた混合気
または、空気が燃焼室内まで圧縮されていく。
とうぜん、高温、高圧です。
◆「燃焼行程」
ピストンの上昇、による圧縮行程が完了する直前に、高温、高圧、
のガス状になった混合気に、スパークプラグによって着火され、
燃焼がはじまる。
燃料噴射方式の場合は、ここで燃料の噴射が行われる。
燃焼ガスの急激な膨張によって、ピストンが強く下へ押し下げ
られ、クランクシャフトに回転力(トルク)が発生する。
◆「排気行程」
燃焼膨張を終えた高圧ガスは、再びピストンの上昇によって、
燃焼室から排気バルブを介して、シリンダーの外へ押し出される。
そしてまたピストンの下降とともに、吸気がはじまる。
この一連の行程が4行程あることから、4ストロークエンジンと
言われる。
また各、行程の詳しい説明は、いずれ機会をみてお話いたします。
─────────────────────────────────────────
◆ あとがき ◆
めっきり春めいてきた今日この頃です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
そんな折りに、
先日すばらしい、感動的な経験をしました。
その日は朝から雲ひとつない、まさに日本晴れ。
風もなく、
日中の気温は6度〜7度前後。
乾いた空気が凛として張りつめている。
午後の3時過ぎ、突然頭上からピー、ヒョロロと、
甲高い鳴き声が降ってきた。
思わず見上げた目に、鳶が天空たかく、それも三羽、
きれいな円を描きながら、悠然と泳いでいる。
それだけではない、
その三羽の鳶が描く円のまん真中、東南の空に、
融けこむほどに透き通った、上弦の昼の月、
見事なまでに、納まっている。
しばし見とれている、高空のショーに、
ここまでやるの?
まさに真打。ご登場!
北から南へ遥か遠く、高く、鳶の描く円も、月も、
まっすぐ突き抜けて、エッチング細工にも似た機体を
輝かせ、四発の飛行雲を曳きながら、成層圏へ消えていった。
‥‥茫然自失。
とは、このことか。
ふっ、
と、我に返り、飛ぶことから見放された自分がいる。
もう、かなり飛んでいないなァ。
こんな日は、三舵の当たりもシャープで切れがよい。
ウインドシアも心配なく、鳶とランデブーといくか。
ぼんやり、思いをめぐらしていると‥‥、
聞きなれた、クラブ機(cessna.Skyhawk-172)。
Lycoming Single Engine の、
exhaust sound が、耳朶によみがえってくる。
Tower, this is JA hiro.enterprise
Request taxi and departure informations over.
‐hiro‐
‐平成18年3月11日 23時30分‐
─────────────────────────────────────────
中高年と初心者のための『車読本』
発行システム:まぐまぐ! http://www.mag2.com/
☆配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000178136.html
─────────────────────────────────────────
発行元 : HIRO.ENTERPRISE
発行者 : CARLIVE SEEKER 『車は1/1の模型だね!』
こばやし ひろふみ
ブログ : http://blog.livedoor.jp/staff_17/
メールアドレス :studio_rei@yahoo.co.jp
☆登録解除 : http://blog.livedoor.jp/staff_17/
Copyright(C)2006 HIRO.ENTERPRISE All rights reserved.
‐無断転載禁じます‐