[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]

  車の事典!!
     中高年と初心者のための『車読本』

          by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                          
                          − 第67号 2009.01.11−
   
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 ☆皆様、お元気でしたか!!
       ご購読いつもありがとうございます。
                      
     そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
         
 ‐このメールマガジンは‐

 難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
 中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
 お伝えしているつもりですが、

 時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
 もあります。

 そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
 ご安心ください。

 また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
 自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
 うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

       [等幅フォントか、MSゴシックでお読みください]
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 それでは、今日もご一緒に。
    
 初心者でもプロの知識が!

 ★ やさしい自動車工学【出力編】    
  
 ◆【エンジンの出力】

 創刊以来、

 自動車エンジンの、性能に関する基礎的な知識(基本用語)につい
 て、お伝えしてまいりましたので十分ご理解された事と思います。

 ある意味、自称プロの人たち以上にですよ。

 尤も真のプロフェッショナルは、自ら自身のことをプロとは申しま
 せんが。。

 また機会をみて、
 重要な項目に関しては、繰り返し復習をしていきますね。

◆[圧縮比]compression ratio
 
 いままでお伝えしてきた、
 吸入・排気行程に変わって、今回から「圧縮比」について述べてい
 きます。

 エンジンの出力に影響をあたえる条件には、様々な要因が数多くあ
 るのです。

 それでは、今日のテーマ

 ▼「最近の自動車エンジンの進歩について」

 自動車エンジン、
 とくに「ガソリン・エンジン」における最近の技術的な進歩には、
 目を見張るものがあります。

 なかでもエンジンの大きさ(排気量)は、あまり変わっていないの
 に、出力においては著しい向上が見受けられます。

 ※その理由を簡単に言えば、
 エンジンの「高速化」や「高圧縮比化」によるものと言えます。

 すでに基礎項目で述べてきたことですが。

 エンジンの出力(馬力)は、トルク(回転力)と回転速度(回転数)
 の積に比例すると言うことでしたね。

 :正確には、回転速度と回転数はちがいますが、ここでは理解をし
  やすいように概ね同じニュアンスでとらえています。

  後々の項目で補足説明をしています。

 このことから、
 出力(馬力)を上げる一つの方法が、エンジンの速度(回転数)を
 高くすることです。

 そして、
 このエンジンを高速回転させるには、「ショート・ストローク型」
 short stroke engine いわゆるストローク・ボア・レシオを小さく
 することであったり。

 「オーバー・スクエァ型」over squere engine にすることで馬力
 の向上を図ってきました。

 ※ここで重要なのは、
 高速化をおこないながら、なお「ピストン・スピード」を増加させ
 ないことです。

 高速における「吸入効率」や「機械効率」の向上をめざす努力をし
 ているわけです。
 
 エンジンの馬力UPを、
 回転速度を上げることだけで行おうとすると、エンジンの使える回
 転数域が高回転域に限られて狭くなり、

 実用に向かない扱いにくいエンジンになってしまう。

 このように、
 極端な「高速・高回転型エンジン」は、一部の特別な目的の為につ
 くられた車(例えば、レーシングカー)を除いては余り用いられな
 いのです。

 それでは、出力を上げながら尚、「中・低速の性能」を落とさない
 実用的なエンジンとは‥‥。

 注)▼ストローク・ボア・レシオ

   : ピストンのストローク(行程)とシリンダー内径との比

   ▼ショート・ストローク・エンジン

   : 読んで字のごとく、ストローク(行程)の短いエンジンの
     ことで、

     高速エンジンになるほど、ピストンの平均速度を小さくし
     なければならないことから、このよう傾向になってくる。

   ▼オーバー・スクエァ・エンジン

   : ピストンのストローク(行程)がボア(シリンダー内径)
     より小さいエンジン。
                                  ‐hiro‐                            
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 大空に夢を!

 ☆ やさしい航空工学【基礎編】   
 
ここでは、
 筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
 航空工学について少し遊んでみたいと思います。
    
 どうぞ楽しんでください。
    
 航空力学【性能】編

 ここで述べられている事柄は、
 なにも航空工学に限られていることではありません。

 お伝えする項目には、
 とうぜん自動車工学にも応用できる内容を数多く含んでおります。

 そのような視点から、

 とかく専門的になりがちな文章は、極力さけてご説明をくわえて
 いくつもりです。

 今日のテーマです。

 ▽[巡航性能]cruising performance

 一定の距離を、もっとも速く飛行するには「最大水平速度」で飛行
 をすればよいのですが、

 これでは、
 抗力に対して「必要馬力」が大きくなりすぎて、とても経済的とは
 いえません。

 また反対に、「必要馬力」を最小に抑えて飛行した場合では、燃料
 の消費量を少なくすることはできますが、

 逆に「飛行時間」が余計にかかってしまい、
 航空機としてのメリットである、スピードが損なわれてしまい、こ
 れも正しい方法とはいえませんね。

 ◇これらの相反する条件をバランスさせるために、

 「エンジン性能」「燃料消費量」「飛行距離」等々を検討して考え
 られたもっとも合理的な飛行速度が、

 「巡航速度」と言い、航空会社をはじめ、航空機メーカー、航空機
 エンジン・メーカーにとっても、

 「最重要課題」なのです。

 ※この巡航速度の性能が、
 そのまま[巡航性能]となる重要な巡航方法に、これから述べてい
 く二つの方式が用いられています。

 ◇その一つが、
 エンジンの出力、プロペラ・ピッチをそれぞれの飛行条件に合わせ
 て変化させ、飛行する航空路の全域にわたって、

 もっとも経済的に飛行する方法で、長い距離を飛ぶ場合に用いられ
 ている。

 この方法は「長距離巡航方式」と呼ばれ、

 飛行するほど燃料を消費することで、航空機の重量が軽くなるから
 そのぶん効率を考えて、エンジン出力を小さくして経済的な飛行が
 可能になる。

 ◇二つ目は、
 エンジンの出力は一定のままで飛行する方法で、
 上記で述べたように、飛行を続けることで燃料が減った分、航空機
 は軽くなりますね。

 それによって、飛行速度が増加する。

 このことから、この方法を「高速巡航方式」と呼んでいます。
 
 そして、この二つの方式と燃料消費率を考えて、実際の運航に採用
 されているのです。
                               ‐hiro‐                                                        
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 ちょっと一息!

 《喫茶室》

 ◇[サン・トロンの幽霊] 
            
  ‐ハインツ・オルフガンク・シュナウファー‐ 

  ‐最終章‐
    
 戦場におけるシュナウファーの功績は、
 そのまま、イギリス空軍爆撃機隊の空爆から、ドイツ本国を守る
 防空の歴史でもある。

 一例を挙げよう。
 騎士鉄十字章を受賞した1943年12月は、あの「ベルリンの戦い」
 でイギリス爆撃機隊司令部が、

 ドイツの首都ベルリンを粉砕中であった。

 また柏葉騎士鉄十字章を受けた1944年6月は、
 連合軍によって、ドイツの人造石油工場が猛爆撃をうけ、航空機
 の生産が最大に上っていたにもかかわらず、

 戦場へ送りだすための飛行用の燃料が、一滴もなくなって、降伏
 の止む無きにいたった前夜でもあった。

 さらに、
 剣付き柏葉騎士鉄十字章の1944年8月には、この人造石油工場の
 爆撃が、成功で終わった時になる。

 そしてダイアモンド剣付き柏葉騎士鉄十字章を授与された。
 1944年10月は、連合軍のドイツへの進撃のため、

 鉄道をはじめ、他のあらゆる交通機関を根こそぎ、潰しにかかって
 いたときでもある。
 
 このように彼の武勲は、
 ドイツがきまって壊滅的な被害を蒙ったときと、図らずも一致する
 皮肉な結果になっている。

 このことは、
 言いかえれば、当時ヨーロッパの戦い、とくにドイツ・英国におけ
 る戦場の空は、すでにドイツの敗色が色濃く漂っていて、

 絶対不利の条件下での戦いを、余儀なくされていた。

 にもかかわらず、
 あれだけの戦績を叩きだせたのは、彼の類まれなる才能はもとより、
 シュナウファーの機に同乗する、

 優秀な爆撃隊員のチームワークによるところが大きい。。

 ・・・・・

 そんな彼、シュナウファーも戦後には平和のもどったドイツで、
 事業に専念している。

 ある日、1950年7月13日には、
 フランスのピアリッツ〜ボルドー間の自動車専用道路を、彼自慢の
 メルセデス。

 スポーツ2シーターを駆っていた。

 青年実業家、
 シュナウファーの前途は、洋々と広がっていたかにみえた。

 事実、少なくともその瞬間までは、そう・・・・。

 ・・・・しかし悲劇は突然おとずれた。

 快適に飛ばすメルセデスの前方、直前の横道からよろよろと一台の
 トラックが入ってきた。

 間髪をいれず、シュナウファーはブレーキを強く踏んでトラックを
 避けようと試みるが、

 わずかに間に合わず、そのまま激突!!

 メルセデスは横転、シュナウファーは車外に投げだされ、道路わき
 の側溝の中へ。

 もしこれで終わっていたら、おそらく軽傷で済んでいたろうに。

 しかし運命の女神は、この日ばかりは微笑まなかった。

 側溝によこたわるシュナウファーの身に、運悪くトラックに積んで
 あった酸素ボンベが、

 まるで爆弾のようにふりそそいできた。

 シュナウファーの息の根を止めるには、もうこれで十分であった。
 
 かっての敵爆撃機、ランカスターの尾部銃座や、
 夜間戦闘機イントルーダー(暗殺者)のモスキート隊。

 それに濃霧に覆われた、危険きわまりない暗黒の空。

 はたまた味方の高射砲陣地から打ちあげられる、無数の弾幕!!

 それらが寄ってたかっても果たしえなかった、
 サン・トロンの幽霊をしとめるのに、何の作戦も必要としなかった。

 つねに笑みを絶やさない、
 好漢シュナウファーを葬り去るのに、たった一人。

 フランス人のトラック運転手によって・・・。

 それも、不注意による交通違反、一回でこと足りたのだ。

 あの精強!!を誇る、イギリス空軍さえも、果たせなかったのに。。
                                       ‐hiro‐
   
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 初心者のための車講座。
                
 ◎ 車を知る【出力編】   
 
 【高速化】high speed revolution
    
 この項では、
 上記の「やさしい自動車工学」で取り上げた「エンジンの出力」に
 ついて補足させていただきます。

 すでに述べたとおり、
 エンジンの大きさ(容積・排気量)が一定か同じであれば、出力を
 上げるには、二つの方法があるということでしたね。

 まずその一つ、「回転速度」について追加説明をしていきます。

 エンジンの出力向上を、
 回転速度にもとめることは、必然的にピストン・スピードを速くす
 るということであって、

 ピストンがシリンダー内を往復する回数と速度が増加する。

 これによって、
 一定時間内に吸入する混合ガスの量が増え、結果、出力UPになる。

 しかし、このことは、
 ピストンおよびシリンダーとの摩擦抵抗、それに回転部分の機械的
 損失を考えると、

 むやみに回転数の高速化のみに頼るのは、正しい選択とはいえない。

 これを解決するのに、
 「オーバー・スクエア・エンジン」や「ショート・ストローク・エ
 ンジン」等の方式を用いている。

 たとえば、回転数が同じであった場合。
 ロング・ストローク・エンジンにくらべて、ショート・ストローク
 型では、

 クランク・シャフトを一回転させるのに、ピストンがシリンダー内
 を往復する距離は短くてすみますね。

 これは言うまでもなく、
 同じ時間、同じ回転数でくらべれば、ショート・ストロークの方が
 ピストンは短い距離の往復ですむので、

 当然、ピストンの一往復するのに必要な速度は遅くなる。

 ※このことから、
 エンジンの回転数を上げながらも、ピストン・スピードを抑えるこ
 とが可能になるのです。  
                                     ‐hiro‐                                        
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 〓 編集後記 〓

 気が付けば新しい年も、早十日余り。

 遅ればせながら、
 読者さま、『あけましておめでとうございます。』

 このメルマガの配信も、ずいぶん間をあけてしまいました。

 なかなかの多忙にまかせ、ついついここまで延びてしまいました。
 決して忘れていたわけではありませんので。

 ご承知、頂きたく存じます。

 今年も大きな目標をかかげており、張り切ってまいります!
                    
                                ‐hiro‐

                    ‐平成21年1月11日 23時11分‐
              
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 中高年と初心者のための『車読本』
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 発行者 : CARLIVE SEEKER 『車は1/1の模型だね!』
        
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