[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!] 

 中高年と初心者のための『車読本』

             by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』

                          
                           -2006.02.26-                                                          
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  ☆皆様、お元気でしたか!!
      まだまだ、インフルエンザが猛威をふるっています。
                      くれぐれもご注意を!

         そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
  
   ◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
    メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。

    よろしくお願いいたします。

    このメールマガジンは、

    難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
    中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
    お伝えしているつもりですが、

    時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
    もあります。

    そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
    ご安心ください。

    また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
    自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
    うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。

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   さあ今日も、はりきっていきましょう!

   ★やさしい自動車工学

    前回、[仕事とトルクの関係]について述べてきましたように、
    この理論は、クルマのあらゆる部分で応用されている、大変
    重要な項目なので、ぜひ憶えておいてください。

    似ていても、非なる関係でしたね。

    この理論を、よく理解されてクルマを運転してみると、また
    ひとあじ違った楽しみ方が出来るのではないでしょうか。
    
    そして、仕事には時間は関係ありません、
    時間の単位が入っていないのはそのためでした。

    それでは、仕事に時間を入れると?

    ハイ、そこで今日のテーマです。

   ◆[仕事・トルクと馬力]の関係

    もうおわかりですね、

    どれだけの仕事(量)をどれだけの時間でするかということ。

    つまり、仕事を時間(秒)で割るとこれが馬力の考えになる。
    
    だって、仕事を早くすることを馬力をかけるというでしょう?
    馬力は、時間が問題になるんです。

    そこで、

    1 馬力 (PS)とは 1 秒間に 75kg.m の仕事をする
    ことである。

         1PS=75kg.m/s

    ようするに、75kgの重さの物を、1秒間に1m動かしたことを
    1馬力(PS)という。

    まあ、人間一人がやっと出せる? 馬力でしょうか。

    この場合の馬力とは、メートル馬力のことをいう。
   
    注。メートル馬力(PS、仏馬力ともいう)と英馬力(HP)
      との関係は。

      1 HP=1.0143 PS となります。

    それでは、エンジンが毎分 n 回転(n.rpm)している
    とすれば、

    エンジンの馬力とトルクの関係は、

    仕事W=2πnTでしたね、(前回の式より)

    この式から

              2πnT
    1 秒当たりの仕事=――――kg.m/s
               60
    
    これを馬力(PS)の単位に直せば、

               2πnT
    馬力(軸馬力)PS=―――――=0.001396nT
               60×75
      
    
    上の式より、トルクを求めれば

           60×75×PS   716.2×PS
    トルク T=――――――――=―――――――
            2πn        n
        
           716×PS
         ≒―――――― …「重要」
            n
 

        ここに、軸馬力Ne:PS
            軸トルクT:kg.m
            エンジン回転数n:rpm とする。
            
            
    軸馬力、軸トルク:それぞれクランク軸で測定できる馬力と、
             トルクのことです。
   
    また、上記の式のなかで、馬力の表示をNeではなくて、
    あえて、馬力の単位PSを直接代入しました。
    そのほうが見た目からも理解しやすいでしょう。

    この、トルクの計算式をぜひ憶えておいてください。

           716×PS
        T≒―――――― は、いろいろ使えます。
            n
    
    例えば、これにより馬力を求めるには

            T×n
        PS≒――――― になり
             716
  
    馬力かトルク、どちらかの値が判れば、馬力もトルクも簡単に
    求めることができる。
    
    ちょっと、ご自身のクルマに当てはめて計算してみてください。

    きっと、カタログデータの意味と、愛車のエンジン特性が
    いっそうご理解できるのではないでしょうか。

    また、いろいろ数値をかえてみることで、好みのエンジンを
    探ってみるのもたのしいですよ。

   ◎まとめ と ヒント

    前の号と、今回の号でエンジンの性能を理解して頂くために
    必要な、基本的な用語とそれぞれの式について述べてきました。

   ◆仕事は、

    力と動かした長さとの積であり、回転させるときの仕事は、
    長さのかわりに円弧の長さを用いればよい。

    仕事は、それにかけた時間には関係がない。

   ◆馬力は、

    仕事を時間(秒)で割ることであり。

    1馬力(PS)は、1秒間に75kg.m の仕事をすることを
    いう。

   ◆エンジンのトルクと馬力の関係は、

    上記の式から計算できることを、ご理解できたとおもいます。

    その概略を述べると、トルクが一定なら、馬力はエンジンの
    回転速度に比例する。

    レーシング・カーやスポーツ・カー、または小型エンジンで、
    最高馬力を大きくしようとするときに、エンジンを高速型に
    するのはこの理由によるものです。

    エンジンの実際に使える馬力やトルクを、軸馬力や軸トルク
    という。

    クランク軸に伝えるものであるから、このような呼び方をする。

    一般に、馬力.トルクと言っているのがこれです。

    少し専門用語っぽいでしょ?  自慢してください。

    この他にも、

    図示馬力や図示トルク、また総排気量当たりの軸トルクに関係
    する、軸平均有効圧力。‥‥等々、今後に機会があればその辺
    のおもしろい関わりを取り上げてみたいと思います。

    かなり硬い内容になりましたが、いかがでしたか?
    
    まだまだ、エンジンの性能に関する、おもしろい項目が
    続きますよ。

    おたのしみに!
   
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    それでは、今日の本題。

   ◎車を知る

   ★取扱説明書、カタログデータの読み方

   ▼エンジン性能曲線

    カタログ等に記載されている、曲線グラフのことです。

    この簡単な曲線から、エンジンのいろいろな性格を、
    知ることが出来るのです。

    まず縦軸に出力とトルク、横軸にエンジン回転数(回転速度) 
    を示している。

    そして、大概のカタログでは、二本の曲線が描かれていると
    おもいます。

    軸馬力と軸トルクですね。

    このグラフの簡単な読み方を、説明すると、
    
    軸馬力でいえば、左下からほぼ直線的に右上にむかって、
    最高回転数の付近まで延びていると思います。

    これは、エンジンの回転数に比例して、パワーも上がることを
    あらわしています。
    最高回転数で最大馬力になる。
    
    軸トルクでは、左から右へ、エンジンの低速回転域から、
    高速回転域にむかって、なだらかな曲線を描いていて、
    ある回転数をピークに最大トルクを示している。

    この最大トルクを発生させる、エンジン回転数域が広いほど
    使いやすく、運転しやすいエンジンといえる。

    いわゆる、フラット・トルク型エンジンであり実用車に多い。

    一方、限られたエンジン回転数付近でのみ、最大トルクを
    発生する、ピーキーなエンジンは一般に扱い難く、その特性は
    レーシング・カーに向いている。

    その他にも、軸平均有効圧力や燃料消費率、等を表した曲線も
    あるのですが、今ではあまり見られない。

    また新しいエンジンの開発(エンジンの性格を決める)の際に
    用いられる、全性能曲線などはエンジンのDNAが全てわかる
    曲線グラフです。

    読んでいるだけでも、ワクワクしてきますね。

    きょうは、

    前編、後編とも大分むずかしい話になりましたが、これって
    かなり重要な部分ですから、がんばってみてください。

    どんどんエンジンの真髄に入っていきます。
                    
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   ◆ あとがき ◆

    いよいよ、
    厳しい今年の冬も、終焉!‥‥間近かな?

    この頃の天候をみていると、そんな気がしないでもない。

    日々の、寒暖の差が大きくなってきているし、
    一晩大荒れの雪模様も、翌日には殆ど解けてしまっている。

    それに先日、雪の下にしっかりと芽吹いていた「蕗の塔」を
    頂いたのです。

    じつに美味い。

    とくに、雪国に住む者には、春を待つ想いと重なり
    ことのほか、感じるのです。

       空耳なのか、早春賦のメロディーがきこえてくる‥‥。
    
                             ‐hiro‐

                    ‐平成18年2月18日 11時20分‐
                               
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