[ 車の理論と、基礎知識が自然と身につく情報誌!]
車の事典
中高年と初心者のための『車読本』
by CARLIVE SEEKER『車は1/1の模型だね』
− 第16号 2006.3.26 −
─────────────────────────────────────────
☆皆様、お元気でしたか!!
ご購読いつもありがとうございます。
そして、はじめての方には、ご登録ありがとうございます。
◇これからも皆様方に、愛され、支持される、
メールマガジンを配信できるよう、努力してまいります。
よろしくお願いいたします。
このメールマガジンは、
難しいクルマの専門用語を、極力やさしい言葉におきかえて
中高年、初心者の皆様方にも、ご理解していただけるように
お伝えしているつもりですが、
時に、専門的な用語をつかったほうが、ご説明しやすい場合
もあります。
そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
ご安心ください。
また、このメールマガジンを読み進めていくことで、
自然と専門知識を身につけ、ご家族やお友達に、ちょっぴり
うんちくを傾けられてはいかがでしょうか。
─────────────────────────────────────────
それでは、今日もご一緒に!
☆やさしい自動車工学
前回の説明で、
普段、なにげなく使っているクルマのエンジンが、
その時のエンジンの状態や、特に大気の状態(気温、気圧、湿度)
で大きく変化することを、ご理解いただけたとおもいます。
その為、エンジンの運転や比較には、「出力の修正」が
必要なんですね。
さあ、今日のテーマです。
▼[走行抵抗]
クルマが走っている時って、必ず何らかの抵抗を受けていますよね。
これらの様々な抵抗を総称して、
「走行抵抗」running resistance と言います。
そして、その抵抗が大きければ、走るのに大きな出力が必要になり、
抵抗が少なければ、小さなエンジン出力で走ることが出来るのは、
当然です。
例えば、
クルマがある一定の速さで、走っているとしましょう。
その場合に、クルマの受けている抵抗と、クルマ(エンジン)の
出している出力は、ちょうどバランスがとれている状態と、
言えるんですね。
ところが、
もしそのバランスがくずれて、(例えばアクセルを踏み込んだ場合)
エンジンの力が大きくなったとします。
この時に、増えて余った力のことを、
◆「余裕駆動力」excess driving force と言います。
そしてこの余裕駆動力が、クルマの速度を上げることに使われて、
次第にクルマが加速されて行くことになります。
クルマの運転では、アクセルの踏み方の加減によって、
緩加速をしたり、または急加速をしたりしているのですが、
つまり、アクセルを踏み込んでできた「余裕駆動力」と見合った
(バランスのとれた)加速のしかたをしていると言えるので、
◆「余裕駆動力」と等しい「加速抵抗」があると言えます。
このように、クルマの走り方によって、いろいろな抵抗を受けて
いるのです。
一般に、
◆「走行抵抗」は、クルマつまり、駆動輪(前輪駆動では前輪)に
かかる抵抗を考えれば良いのですが、
エンジンテストの時には、「走行抵抗馬力」をシミュレーション
して性能分析をすると非常に便利なために、
エンジンにかかる馬力として、あつかう場合があります。
当然この時は、
エンジンから駆動輪までの伝達効率を、条件に入れなければ、
ならないのですが。
要するに、
「走行抵抗」は、駆動輪にかかる抵抗と、エンジンにかかる抵抗
が考えられると言うことです。
またその「走行抵抗」は、
力(Kg)として考える場合(駆動輪にかかる抵抗)と
馬力(PS)として考える場合(エンジンにかかる抵抗)が、
あるのですね。
そして、
力(Kg)として考える場合を「走行抵抗力」といい、
馬力(PS)として考える場合を「走行抵抗馬力」という。
◆「走行抵抗力」と「走行抵抗馬力」との関係は、
簡単にいえば、抵抗する力にさからって、クルマがある速度で
走るということで、
◆「抵抗馬力」は、
クルマにかかる抵抗力(Kg) に、クルマの速度(Km/h)を、
掛ければよい訳で、
つぎの式で表すことが出来ます。
R = K1× F × V
ここに、R : 走行抵抗馬力 PS
F : 走行抵抗力 Kg
V : 車速 Km/h
K1: 係数(単位を合せるための数値)
1000 1
K1=――――――=――――
75×3600ηm 270ηm
ηm: 伝導効率(伝達効率)
このように、いたって単純な式ですが、
◆「走行抵抗力」と「走行抵抗馬力」との関係を端的に、
示したもので、よくお解りいただけたとおもいます。
─────────────────────────────────────────
☆やさしい航空工学
ここでは、
筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
航空力学について少し遊んでみたいと思います。
▽「標準大気」
ご存知のように、この地球は何層かの大気の層でおおわれて、
いるわけですが、
これらの構成されている層の、一番低い下層の部分が、
いわゆる「対流圏」Troposphere と呼ばれるところですね。
名前の通り、空気の対流が行われていて、それによって
生じる気象現象、天候が起こっているわけです。
普通の気象現象は、この対流圏内に起きている現象を表現して
伝えているのです。
気温は、地表面より 1Km 高くなるにつれて、5〜6℃の割合で
低くなっていくのですが、
12Km 付近でいったん止まり、またそれ以降は、高度の上昇と
ともに、逆に少しずつ温度も高くなっていくのです。
この気温の減少範囲(海抜 0m 〜12000m位)を「対流圏」と
呼んでいます。
例えば、地表面が20℃の時、対流圏の一番高いところでは、
−40℃〜−50℃位になるわけですね。
このように、
対流によって、大気の状態(気圧、気温、密度等)も、常に
変化しているわけで、
そこを、飛行する航空機の条件も、当然違ってきます。
例えば、ある航空機が、高度3000m を 500Km/h で飛行して
いたとします。
そこで、その航空機が、高度3000m を維持しながら、
ある地点にさしかかった時、
同じ 500Km/h の飛行速度を出せるとは限らないのです。
もちろん風の条件を入れなくても。
こうして「飛行性能」だけでなく、
安定性や運動性など、大気の状態によって、その影響を
大きく受けるのです。
そこで、航空機の性能の比較をしたり、性能を表わしたり
するのに、
大気の「基準値」をきめる必要が生じてくるわけですね。
これを「標準大気」と呼んでいます。
航空機のカタログに、記載されている「飛行性能」は、
すべてこの「標準大気」を基にして、表わしています。
ここまで述べてきて、
すでにお気ずきとおもいますが、前回の号でもご説明をした、
クルマの性能比較を行うのに「出力の修正」が必要なように、
航空機の「飛行性能」の比較や表示に「標準大気」が、
用いられているのです。
いかに最新の技術を以ってつくられた、クルマや航空機と
いえども、大気の状態に大きく影響を受けているのですね。
いかがでしたか。
─────────────────────────────────────────
今日の本題。
◎車を知る【構造編 エンジン】
▼[クランクシャフト]
前の号「ピストン」の説明でも触れましたが、
エンジンの燃焼室内で発生した、熱エネルギーによって、
ピストンが往復運動を始めます。
その往復運動を、
回転エネルギー(所謂、回転力=トルク)に変換させてやるのが
クランクシャフトです。
エンジンの軸馬力や、回転数は、このクランク軸の馬力であり、
クランク軸の回転数から得たものだと言うことは、
すでに、先の号で述べた通りですね。
このクランクシャフトは、
エンジンを構成する部品の中でも、シリンダーブロックを除けば
一番重いパーツと言えるでしょう。
また過酷な使用条件を満たすために、高密度の鍛造品がつかわれて
います。
その形状は、
名前が示すように、一本の真っ直ぐなシャフトではなく、
ピストンの往復運動を回転運動に変えるために、
ある角度(60度、90度等)をもったアーム状のシャフトです。
そして、その形状と重さゆえに、振動の原因にもなりやすいのです。
その振動を相殺するために、バランスウエイトが構成されているの
ですが。
一部バランスシャフトを、用いているエンジンもあるように、
レシプロエンジンの宿命でなかなか難しいのです。
ただ例外的なエンジンとして、クランクシャフトを持たない、
ロータリーエンジンは、対振動性に大変すぐれたエンジンと
いえるでしょう。
─────────────────────────────────────────
◆ あとがき ◆
きょうは、
朝から素晴らしいお天気にめぐまれ、
冬の間、ずーと気になっていた、ガレージの整理!整頓!を、
おもいきってやりました。
エアコンプレッサー、ジャッキ、各ツール類、ケミカル用品等々
それに革ツナギ、ヘルメットの手入れに、
埃まみれ、油まみれ、のたっぷり半日の作業でした。
これでまた、
休日が楽しくなりそうだね!
‐hiro‐
‐平成18年3月25日 22時30分‐
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中高年と初心者のための『車読本』
発行システム:まぐまぐ! http://www.mag2.com/
☆配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000178136.html
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発行元 : HIRO.ENTERPRISE
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こばやし ひろふみ
ブログ : http://blog.livedoor.jp/staff_17/
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− 第16号 2006.3.26 −
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もあります。
そのような場合でも、用語の解説を付記していきますので、
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それでは、今日もご一緒に!
☆やさしい自動車工学
前回の説明で、
普段、なにげなく使っているクルマのエンジンが、
その時のエンジンの状態や、特に大気の状態(気温、気圧、湿度)
で大きく変化することを、ご理解いただけたとおもいます。
その為、エンジンの運転や比較には、「出力の修正」が
必要なんですね。
さあ、今日のテーマです。
▼[走行抵抗]
クルマが走っている時って、必ず何らかの抵抗を受けていますよね。
これらの様々な抵抗を総称して、
「走行抵抗」running resistance と言います。
そして、その抵抗が大きければ、走るのに大きな出力が必要になり、
抵抗が少なければ、小さなエンジン出力で走ることが出来るのは、
当然です。
例えば、
クルマがある一定の速さで、走っているとしましょう。
その場合に、クルマの受けている抵抗と、クルマ(エンジン)の
出している出力は、ちょうどバランスがとれている状態と、
言えるんですね。
ところが、
もしそのバランスがくずれて、(例えばアクセルを踏み込んだ場合)
エンジンの力が大きくなったとします。
この時に、増えて余った力のことを、
◆「余裕駆動力」excess driving force と言います。
そしてこの余裕駆動力が、クルマの速度を上げることに使われて、
次第にクルマが加速されて行くことになります。
クルマの運転では、アクセルの踏み方の加減によって、
緩加速をしたり、または急加速をしたりしているのですが、
つまり、アクセルを踏み込んでできた「余裕駆動力」と見合った
(バランスのとれた)加速のしかたをしていると言えるので、
◆「余裕駆動力」と等しい「加速抵抗」があると言えます。
このように、クルマの走り方によって、いろいろな抵抗を受けて
いるのです。
一般に、
◆「走行抵抗」は、クルマつまり、駆動輪(前輪駆動では前輪)に
かかる抵抗を考えれば良いのですが、
エンジンテストの時には、「走行抵抗馬力」をシミュレーション
して性能分析をすると非常に便利なために、
エンジンにかかる馬力として、あつかう場合があります。
当然この時は、
エンジンから駆動輪までの伝達効率を、条件に入れなければ、
ならないのですが。
要するに、
「走行抵抗」は、駆動輪にかかる抵抗と、エンジンにかかる抵抗
が考えられると言うことです。
またその「走行抵抗」は、
力(Kg)として考える場合(駆動輪にかかる抵抗)と
馬力(PS)として考える場合(エンジンにかかる抵抗)が、
あるのですね。
そして、
力(Kg)として考える場合を「走行抵抗力」といい、
馬力(PS)として考える場合を「走行抵抗馬力」という。
◆「走行抵抗力」と「走行抵抗馬力」との関係は、
簡単にいえば、抵抗する力にさからって、クルマがある速度で
走るということで、
◆「抵抗馬力」は、
クルマにかかる抵抗力(Kg) に、クルマの速度(Km/h)を、
掛ければよい訳で、
つぎの式で表すことが出来ます。
R = K1× F × V
ここに、R : 走行抵抗馬力 PS
F : 走行抵抗力 Kg
V : 車速 Km/h
K1: 係数(単位を合せるための数値)
1000 1
K1=――――――=――――
75×3600ηm 270ηm
ηm: 伝導効率(伝達効率)
このように、いたって単純な式ですが、
◆「走行抵抗力」と「走行抵抗馬力」との関係を端的に、
示したもので、よくお解りいただけたとおもいます。
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☆やさしい航空工学
ここでは、
筆者のライフスタイルであり、また専門分野の一つでもある、
航空力学について少し遊んでみたいと思います。
▽「標準大気」
ご存知のように、この地球は何層かの大気の層でおおわれて、
いるわけですが、
これらの構成されている層の、一番低い下層の部分が、
いわゆる「対流圏」Troposphere と呼ばれるところですね。
名前の通り、空気の対流が行われていて、それによって
生じる気象現象、天候が起こっているわけです。
普通の気象現象は、この対流圏内に起きている現象を表現して
伝えているのです。
気温は、地表面より 1Km 高くなるにつれて、5〜6℃の割合で
低くなっていくのですが、
12Km 付近でいったん止まり、またそれ以降は、高度の上昇と
ともに、逆に少しずつ温度も高くなっていくのです。
この気温の減少範囲(海抜 0m 〜12000m位)を「対流圏」と
呼んでいます。
例えば、地表面が20℃の時、対流圏の一番高いところでは、
−40℃〜−50℃位になるわけですね。
このように、
対流によって、大気の状態(気圧、気温、密度等)も、常に
変化しているわけで、
そこを、飛行する航空機の条件も、当然違ってきます。
例えば、ある航空機が、高度3000m を 500Km/h で飛行して
いたとします。
そこで、その航空機が、高度3000m を維持しながら、
ある地点にさしかかった時、
同じ 500Km/h の飛行速度を出せるとは限らないのです。
もちろん風の条件を入れなくても。
こうして「飛行性能」だけでなく、
安定性や運動性など、大気の状態によって、その影響を
大きく受けるのです。
そこで、航空機の性能の比較をしたり、性能を表わしたり
するのに、
大気の「基準値」をきめる必要が生じてくるわけですね。
これを「標準大気」と呼んでいます。
航空機のカタログに、記載されている「飛行性能」は、
すべてこの「標準大気」を基にして、表わしています。
ここまで述べてきて、
すでにお気ずきとおもいますが、前回の号でもご説明をした、
クルマの性能比較を行うのに「出力の修正」が必要なように、
航空機の「飛行性能」の比較や表示に「標準大気」が、
用いられているのです。
いかに最新の技術を以ってつくられた、クルマや航空機と
いえども、大気の状態に大きく影響を受けているのですね。
いかがでしたか。
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今日の本題。
◎車を知る【構造編 エンジン】
▼[クランクシャフト]
前の号「ピストン」の説明でも触れましたが、
エンジンの燃焼室内で発生した、熱エネルギーによって、
ピストンが往復運動を始めます。
その往復運動を、
回転エネルギー(所謂、回転力=トルク)に変換させてやるのが
クランクシャフトです。
エンジンの軸馬力や、回転数は、このクランク軸の馬力であり、
クランク軸の回転数から得たものだと言うことは、
すでに、先の号で述べた通りですね。
このクランクシャフトは、
エンジンを構成する部品の中でも、シリンダーブロックを除けば
一番重いパーツと言えるでしょう。
また過酷な使用条件を満たすために、高密度の鍛造品がつかわれて
います。
その形状は、
名前が示すように、一本の真っ直ぐなシャフトではなく、
ピストンの往復運動を回転運動に変えるために、
ある角度(60度、90度等)をもったアーム状のシャフトです。
そして、その形状と重さゆえに、振動の原因にもなりやすいのです。
その振動を相殺するために、バランスウエイトが構成されているの
ですが。
一部バランスシャフトを、用いているエンジンもあるように、
レシプロエンジンの宿命でなかなか難しいのです。
ただ例外的なエンジンとして、クランクシャフトを持たない、
ロータリーエンジンは、対振動性に大変すぐれたエンジンと
いえるでしょう。
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◆ あとがき ◆
きょうは、
朝から素晴らしいお天気にめぐまれ、
冬の間、ずーと気になっていた、ガレージの整理!整頓!を、
おもいきってやりました。
エアコンプレッサー、ジャッキ、各ツール類、ケミカル用品等々
それに革ツナギ、ヘルメットの手入れに、
埃まみれ、油まみれ、のたっぷり半日の作業でした。
これでまた、
休日が楽しくなりそうだね!
‐hiro‐
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